「国語」に限らず、中学入試において重要となってくるのが語彙の多寡。そんな語彙を増やすため親としてできることがあるなら、知っておきたいものですよね。今回の無料メルマガ『親も子供も一緒に伸びていく』では著者の高久手はるかさんが、「語彙を増やすことに繋がる生活習慣」をレクチャー。言葉へ意識を向けるきっかけは、日常のいたるところに転がっているようです。
言葉の感覚を磨いて子供の語彙も増やしていこう
今日は「言葉」にフォーカスを当ててみたいと思います。
コロナ禍で「自粛警察」とか「マスク警察」なんていうワードが生まれましたね。今は新型コロナの流行を終わらせるためには、外出するな!マスクしろ!と周囲に強力にしかも過度にアピールしたり、果ては種々の実力行使に及んだりする人たちのことです。
こういう行動をする人のことを一括りにして、あなたなら何と呼びますか?
「確信犯」だと言えるのではないでしょうか。
ここで、もう一つ質問です。この「確信犯」は、自分たちの行為を「悪いと知っていながらやっている」のか、「正しいことと考えている」のか、どちらでしょうか?
文化庁のサイトでは、「確信犯=政治的・思想的・宗教的な信念に基づいて行われる犯罪という意味」とされています。
● 「確信犯」の意味
つまり、自分が悪いことをしているとは微塵も思っていないんです。悪いことと分かって行う人のことではないんです。
でも、日常の中で、ちょっとズルいことをズルをしていると分かっていそうなのに、素知らぬ顔でやっている人を見かけたら、「あの人って、確信犯だよね。」なんて使っていませんか?これは誤用なんですが、今や7割の人が「悪いと分かってやっている」の意味として使っているそうです。つまり、正しい意味で使っている人は、たったの3割ってことです。
誤用と正しい意味の両方を知っているのと知らないのとでは、お家の中の言葉の環境は大きく違ってきます。
もし、「確信犯」がテレビで使われたら、「これって、どっちの意味で使っているだろう?」とご家族で話題にしてみてください。言葉には正しい使い方(意味)がありますが、その一方で言葉はナマモノなんです。
「難しい」を「むずい」や「ら抜き言葉」というのも誤用ですが、若い世代を中心に学校の先生でも使ったりしています。あと何十年かしたら、もっと一般的な表現になっているかもしれませんね。
このようなことを家庭で話題にする、ちょっと気になる言葉があったら、リビングで辞書を引いてみる。これを続けていると大人だけではなく、子どもにも言葉へ意識を向けるきっかけを作れます。
それが子どもの語彙を増やすことに繋がりますよ~。
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