ちなみに、トヨタ自動車は、過去に一度テスラと提供し、電気自動車を発売しています。
2010年というテスラがまだ無名で金欠の会社だったころに、$50millionを投資して大株主になった上で(「Tesla Motors and Toyota Motor Corporation Intend to Work Jointly on EV Development, TMC to Invest in Tesla」)、小型SUVであるRAV4の電気自動車版RAV4 EVを共同開発し、2012年9月に米国で発売しました。
Wikipediaによると、2012年の販売台数は192台、2013年が1,096台しかなく、2014年には生産を中止してしまいました(累計出荷台数は2,489台)。値段は、$49,800と手頃な値段でしたが、走行距離は80~120マイルしかなかったそうです。この時は、電池と駆動部はテスラが提供していました。
トヨタ自動車は、これを「失敗」と考え、テスラとの提携を解消し、電気自動車市場からは撤退してしまいました。赤字を垂れ流しつつも、電気自動車一本で勝負し続けたテスラとは対照的です。
所有していた株も2016年にはすべて売却してしまいました(「Toyota dumps stake in Tesla as former partners become rivals」)。
Toyota had 2.3 million shares in Tesla as of March 2016, according to a financial report published last June, valuing the stake at the time at roughly $538 million. For most of last year, Tesla’s shares were trading at more than 10 times their 2010 IPO price of $17.
この時点で、テスラ の株価は10倍以上になっており、トヨタ自動車が2010年に投資した$50 millionは、売却した時点で$538 millionになっていました。
しかし、その後、テスラの株価はさらに10倍以上になっているので、2010年に入手した11.5 million株を今でも所有していれば、$6.9 billionの価値になっていました。
テスラは以前から、自分たちが作った技術を他のメーカーに提供するアイデアに関してはオープンで、イーロン・マスクも「シェアを増やすことよりも、電気自動車の普及で地球をより維持可能にすることが大切」と宣言し続けているので、この話は、テスラにとっても理にかなった話です。
ちなみに、Appleも自動運転車を開発していると言われていますが、もし私がトヨタ自動車の経営メンバーであり、Apple、Google、テスラの3社の中から提携相手を選べと言われたら、テスラを選ぶだろうと思います。
Appleを選べば、Appleブランドで販売されることになり、こちらは製造を担当するだけの下請け業者になってしまいます。Googleと組めば、Googleは必ず個人情報を活用して広告ビジネスをするので、そんな自動車は売りたくありません。
そう考えると、ひたすら「地球を維持可能にする」ことに注力しているテスラは提携相手として相応しいし、テスラが全世界に持つSuper Charger Networkも活用出来るのであれば、大きな武器になります。
小型SUVなどと言わずに、思い切って、プリウスやカローラを電気自動車化して、一気に電気自動車へのシフトを加速していただきたいと思います。
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