私の母は毒親でした。自覚なき親が陥りがちな「共感」と「助言」の勘違い

 

3.共感するとは?待つとは?

共感するとは、相手の意見や感情に「そのとおり」と感じること、また「そのお気持ち、わかります」というイメージです。けれども、実際には違います。自分から相手の気持ちに共感することではありません。相手から「この人は信頼できる」とか、「この人になら全部話せる」「この人だったら分かってくれる」と感じてもらえることです。

どんなに相手の気持ちを感じ取ることができたとしても、同じ体験をしていないのですから「そのお気持ちわかります」とは言えません。相手が「悲しい」と言ったのなら、「悲しいんですね」と、相手の気持ちに寄り添い、確かめるように話を聞くことが、本来の共感です。

そして、返事を急かさないことです。特に子供を相手にしている場合は、じっくり時間を取って考えさせることが大切です。自分の気持ちはどんなだろう?自分はどうしたいんだろう?親の意向に沿わせるのでは無く、子供自身が、自分の気持ちや考えをまとめるための時間を取り、決まるまでゆっくりと「待つ」ことです。その日に返事が無くても良し、子供が自分の気持ちや思考をまとめるまでゆっくりと構えることです。

江戸時代には「待つもまた楽し」と待つ気持ち自体を楽しむ余裕があったようです。「待たされる」という被害意識ではなく「待たせてもらえて楽しみが増す」という余裕です。時代は令和へと下りましたが、先人達が行っていた人とのコミュニケーション術は、現代でも非常に大切で脈々と受け継いでいきたいものの一つです。子供に対して、是非、余裕と楽しみを持って接しましょう。

image by: Shutterstock.com

家庭教育アドバイザー 柳川由紀この著者の記事一覧

家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育 』

【著者】 家庭教育アドバイザー 柳川由紀 【月額】 初月無料!月額508円(税込) 【発行周期】 毎月 第1月曜日・第2月曜日・第3月曜日・第4月曜日(年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • 私の母は毒親でした。自覚なき親が陥りがちな「共感」と「助言」の勘違い
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け