3.共感するとは?待つとは?
共感するとは、相手の意見や感情に「そのとおり」と感じること、また「そのお気持ち、わかります」というイメージです。けれども、実際には違います。自分から相手の気持ちに共感することではありません。相手から「この人は信頼できる」とか、「この人になら全部話せる」「この人だったら分かってくれる」と感じてもらえることです。
どんなに相手の気持ちを感じ取ることができたとしても、同じ体験をしていないのですから「そのお気持ちわかります」とは言えません。相手が「悲しい」と言ったのなら、「悲しいんですね」と、相手の気持ちに寄り添い、確かめるように話を聞くことが、本来の共感です。
そして、返事を急かさないことです。特に子供を相手にしている場合は、じっくり時間を取って考えさせることが大切です。自分の気持ちはどんなだろう?自分はどうしたいんだろう?親の意向に沿わせるのでは無く、子供自身が、自分の気持ちや考えをまとめるための時間を取り、決まるまでゆっくりと「待つ」ことです。その日に返事が無くても良し、子供が自分の気持ちや思考をまとめるまでゆっくりと構えることです。
江戸時代には「待つもまた楽し」と待つ気持ち自体を楽しむ余裕があったようです。「待たされる」という被害意識ではなく「待たせてもらえて楽しみが増す」という余裕です。時代は令和へと下りましたが、先人達が行っていた人とのコミュニケーション術は、現代でも非常に大切で脈々と受け継いでいきたいものの一つです。子供に対して、是非、余裕と楽しみを持って接しましょう。
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