デジタル庁創設など100年早い。ワクチン予約システム丸投げのお粗末

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日本中から聞こえてくるワクチン予約システムの不具合への怨嗟の声。13日、チケット販売・予約サイトを運営するぴあが、ワクチン予約用にサービスを提供すると発表したことで、改善が期待されるものの、行政が提供するオンラインシステムは、なぜこうも低品質なのでしょう。横浜市のワクチン予約で時間を浪費させられたと語る軍事アナリストの小川和久さんが、主宰するメルマガ『NEWSを疑え!』でその原因をズバリ指摘。長い行政機関との関わりから、役人たちのITリテラシー欠如の実態を明かします。

PC音痴の役人がシステム担当だと…

横浜市民の私のところにも5月6日、コロナ・ワクチンの予約票が届きました。横浜市の場合、5月3日から予約開始と告知されていましたが、それより3日も予約票の到着が遅れ、しかも5月3日の予約開始から40分でサーバがダウンしたというニュースが流れるに到っては、そのちぐはぐというか、デタラメというか、行政の在り方に不信感が募りました。

通知票が届いた6日、すぐに横浜市のサイトにアクセスすると、受け付け終了の表示。次は10日の午前9時開始となっていました。これでは先が思いやられます。忙しい人はどうするの?

いつアクセスしてもつながらないようでは、不便だなぁという利便性の問題を超えて、国民が予約に時間を浪費させられている分、社会活動や経済活動が阻害されるということがわからないのでしょうか。何千万人の国民で考えると、その損失は莫大なものになるのです。

ワクチンの予約について、いま私が少しばかり懸念しているのは、PCやスマートフォンからスムーズに予約できるかどうかという、実に基本的なお話しです。それというのも、日本の行政のオンラインの仕組みは非常に使いにくく、完成度が低いからです。

先日も内閣府のNPOに関するアンケート調査があり、PCで回答しようと入力を進めていったのですが、ある段階からは先に進めません。多分、フォントが全角か半角かの違いくらいだろうと試すのですが動かない。そこで窓口に電話したのですが、そんなことはあり得ない、回答用紙を郵送するから返送してくれとしか答えません。腹を立てた私は、「××に丸投げしているから、そんなことになるんだよ」と、広告代理店の名前を挙げて回答拒否を伝えました。送られてきた用紙は両面に印字されており、裏面をメモ用紙にも使えないので、シュレッダーにかけました。

そんなことはあり得ないというのは、私のほうが言いたいことです。それは通販サイトで品物を買うのと比較してみればわかります。まず、入力していって先に進めないなどということはありません。うっかりして全角か半角かを間違えていても、それを指摘してくれますから、打ち直すだけです。それくらいスムーズに行かないと商売になりませんから、通販側はどんどん買ってもらえるように、消費者の立場でシステムの完成度を高めているのです。

行政はどうか。国民、住民の立場で使いやすくしようなどという意識はありません。意識があるようなら、こんなに使いにくいシステムが放置される訳がありません。

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