なぜ、昨今のクイズ番組にあふれる「高学歴芸人」は面白くないのか?

2021.08.14
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「テレビをつければクイズ番組に当たる」といっても過言ではないほど、昨今はタレントや芸人が出演する難問系クイズ番組をよく見かけます。中でも、高学歴であることをウリにしたお笑い芸人が難解な問題にチャレンジする様子を放送するクイズ番組が激増しました。「謝罪のプロ」として知られ、さらに「危機管理のプロ」としてコンプライアンス研修の講師も務める増沢隆太さんは、まぐまぐのコンテンツプラットフォーム「mine」内で、こうした「高学歴」であることや「ビジネスでの成功」を強調するお笑い芸人が「つまらなくなった」理由について私見を述べるとともに、「お笑い」を生業とする「芸人」という仕事のあり方について持論を展開しています。

高学歴を売り物にしたり、笑い以外のビジネスで「成功」する人は芸人なのだろうか?

今、テレビ番組を見渡せば、バラエティはクイズ、ドラマは刑事ものが圧倒する。これは制作費やクレーマー対応という、がんじがらめの状況を象徴する。ひょうきん族や全員集合、コント55号やゲバゲバ90分といった昭和のテレビバラエティ全盛期を堪能できた世代として、現状の規制だらけの番組制作を強いられる制作者や芸能人の皆さんには心から同情申し上げる。特に本格的コント番組は、制作費がかさむことや、言葉狩りのようなごく一部のクレーマーによるスポンサーへの気遣いからほとんど減った。

クイズ番組も、かつてのような普通の素人参加型のようなものは限りなく減り、代わって東大生や高学歴有名人、インテリ芸能人による難問が増えている。同時に、クイズ番組で活躍するインテリ芸人と呼ばれる人たちを生んだ。弟子修行せずともプロダクションの養成学校を経ることで芸人になれる道もでき、東大やらハーバード大やら、高学歴を売り物にする芸人もどんどん出ている。

しかし、こうした高学歴芸人は、笑いで勝負できているのだろうか。ネタ番組も減り、ひな段トークなど機会も限られている環境は同情できる。しかし芸人である以上、わずかなチャンスをも逃さず笑いを取りにいくように見えないのはどうなのか。

笑いへのガッツ

明日のスターを夢見る芸人さんたちは、コンテストや深夜のガヤ番組でも必死に爪痕を残そうと頑張っている。高学歴芸人と呼ばれる人々は、どちらかといえば深夜番組で熱湯を浴びたりやローション相撲するより、笑いではないニュース特番系バラエティやNHKなどで見かけることが多いように感じる。

中にはビジネスでの成功を語る講演やセミナーで活躍する人もいるが、正に本末転倒としかいいようがない。

必死にわずかなチャンスも活かそうと、ガヤなのに食いついてくるようなギラギラしたアクや、せっかくのチャンスを得てもうまく回せずに大スベりのような、これはこれでバラエティとしては「あり」なオチになることも少なくない。もちろん芸能は笑いだけではない以上、全員が笑いをとらなければならないものではない。しかしそれは芸能人一般のことであって、少なくとも俳優や歌手などのシリアスな本業を目指すならばの話である。

元スポーツ選手のような、単なるタレントと呼ばれる人たちもいる。こうした人たちが緩い笑いを取ることに問題はない。本業があるからだ。では高学歴「芸人」はどうか? 芸人部分がなければ、それはただの高学歴者である。高学歴であることに一定の価値があるのは、現在の社会では当然であり、少子化でかつてほどの厳しさは無くなってきているものの、高偏差値大学のハードルは厳然と存在する。

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