コロナ禍にスシロー「過去最高益」の謎。スゴ腕“異色経営者”が打ち出す革命の全貌

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全国で新型コロナ感染者が激増し、多くの飲食店が苦戦を強いられる中、過去最高の業績を記録した外食チェーンがあります。その名は回転寿司大手「スシロー」。従来の郊外店のみならず都市型店舗も出店攻勢を続ける回転寿司チェーン「スシロー」は、なぜコロナ禍をものともせず好成績を出しているのでしょうか? 「テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine)」では、そのスシローが掲げる「独自戦略」を紹介しながら、JAL再建にも貢献し6年前からスシローで辣腕をふるうスゴ腕の異端社長に密着しています。

新宿の地下にも出店 定番のネタがおいしい理由

東京・足立区のスシロー環七青井店。緊急事態宣言によって時短営業を強いられる外食業界にあって、スシローは直近半年間(2020年10月~21年3月)の業績が過去最高を記録した。その秘密の一つが、店から運び出した銀色の荷物にあった。

荷物をトラックへ積み込み走ること15分、運ばれた先は葛飾区のJRの亀有駅だ。駅構内の改札の真横に「スシローTo Go」があった。今拡大中のお持ち帰り専門店だ。

荷物の正体は作りたての寿司。電車の乗降客だけでなく、わざわざこれを買いに来る人もいて、大行列を作っていた。もちろん安さは変わらない。大人気の「海鮮ちらし」はネタがびっしり詰まって580円だ。

拡大するテイクアウトの需要を掴むため、スシローは駅構内の小型店を急ピッチで増やし続けている。

「テイクアウト利用が普段の2倍以上ある。よりスシローを身近に感じていただける業態だと思っています。年内に10店舗以上、出店したいと思います」(出店責任者・田中俊作)

そして新宿にはスシロー新宿三丁目店が出店した。今、スシローが出店攻勢をかけるのは都市型店舗。これまで郊外のロードサイドが中心だったが、繁華街も狙い始めたというわけだ。回転寿司といえば1皿110円だが、家賃の高い都市型店では132円が中心となる。

客をがっちりつかむ裏には、独自戦略があった。

スシロー新戦略①「定番重視」

今や回転寿司業界はなんでもありの状態だ。パスタやハンバーグなど、ここ数年、各社がメニューのバラエティー化を競い合ってきた。

だが、スシローが一番重視するのはマグロやハマチ、サーモンなど110円の定番ネタの味だという。例えばマグロの赤身は、キハダマグロを廃止し、味が濃厚な40キロ以上のメバチマグロだけに限定した。

「濃厚でマグロの味が強くおいしいので、価格的には高くなりますが、スシローとしては大きくて安定した方をお客様に届けたい」(商品部・山上雅則)

そして、通常は尻尾だけ行う身質のチェックも、中心部まで確認。合格したものだけを仕入れる厳しいチェック体制をしいた。

「本当に身の中まで大丈夫なのかを厳しく。定番を強化するために加えた選別方法です」(山上)

スシローは定番を徹底的に強化し、客をつかむ戦略なのだ。

 

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