軍事アナリストが岸田政権に問う「今すぐのミサイル危機」が虚言なら撤回せよ

FTM-18_SM-3_launch
 

自民党の新総裁に選出された岸田文雄氏は事実上の次期総理で、国民の命と財産を守る立場となりました。そこで、軍事アナリストの小川和久さんが、その岸田新総裁に早速「ミサイル防衛」について注文をつけています。今回のメルマガ『NEWSを疑え!』で小川さんは、「いまそこにある危機」として多額の予算を充て、「イージス・アショア」及びその代替のイージス艦建造を決めながら、イージス艦完成後に匹敵する対策が取られていない現状を問題視。米軍に協力を仰ぐのが現実的と提案し、手を打たないなら、今そこにある「ミサイルの脅威」は虚言と認め説明すべきと訴えています。

危機感がないミサイル防衛

決選投票の結果、新しい自民党総裁に岸田文雄さんが選ばれました。そこで、早速ながら日本の安全と繁栄について健全な問題意識を持っているかどうか、それがわかる問いを発したいと思います。ミサイル防衛の問題です。

防衛省が切り札になると提案したイージス・アショア(陸上配備型ミサイル防衛システム)は、測量ミス問題など防衛省の失態が続いた結果、河野太郎防衛大臣が白紙撤回し、その後はイージス・システム搭載艦などの案が宙に浮いたままになっています。

そこで問いたい。イージス・アショアにせよ、イージス・システム搭載艦などにせよ、5~10年単位の時間を要する計画です。5000億円以上の莫大な予算を必要とすることはともかく、それらが実現するまでの間のミサイル防衛をどうするのか。

イージス・アショアの提案の時も、防衛省は喫緊の課題のように提案し、自民党はまるで「いまそこにある危機」とでも言わんばかりに北朝鮮と中国の弾道ミサイルの脅威を口にしました。そうであれば、いますぐにでも手を打たなければならないのではないでしょうか。しかしながら、イージス・アショアを提案する時点でも着手しておかなければならなかったミサイル防衛の強化は、どの政治家、どの官僚の口からも出てくることはありませんでした。

そこで、専門家の一員として政治家や官僚の代わりに私から提案させてもらうのは、「友軍」の力を借りるという構想です。

print
いま読まれてます

  • 軍事アナリストが岸田政権に問う「今すぐのミサイル危機」が虚言なら撤回せよ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け