“非常識な会社”東京電力が煽る「電力需給逼迫警報」という危機

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3月22日、経済産業省は東京電力・東北電力管内で「電力需給逼迫警報」を発出し、節電を呼びかけました。寒気の南下に加え、16日に震度6強を観測した福島県沖を震源とする地震により、複数の火力発電所が停止した影響とされるこの騒動を「原発再稼働が狙い」と受け止めるのは、評論家の佐高信さんです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、福島第一原発の事故後に非常識な対応を取った東京電力が、3.11直後の株主総会で撮影や録音、配信を禁止する注意書きを掲げていたことも明かしています。

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東京電力は信じられない

テレビをつけると、電気事業連合会(略称、電事連、東京電力を中心とする電力会社の集まり)の広告が流れ、石坂浩二がしたり顔にエネルギーについて語っている。

結局、原子力発電がいいのだと言いたいらしいが、3月26日に米沢で講演をして、2011年3月11日のあの東日本大震災の原発事故で福島から山形に避難して来たままの人の話を聞いた後だけに、こんな広告に出て、安くない出演料を得ている石坂に対して怒りが倍加した。(中略)

それにしても、先日の東京電力と東北電力の電力需給逼迫警報は唐突だった。経産省と組んでの完全な脅しである。原発再稼働をねらって「危機」を煽ったとしか思えない。

大体、電力会社は地域独占企業であり、競争相手がいない。たとえば、東京に住む私が東電が嫌いだから東北電力から電力の供給を受けたいと言っても、それはできないのである。

地域独占の特権があるのだから、当然、それに伴う供給義務を負う。しかし、東電をはじめとする電力会社は独占は享受しても供給の義務はたいてい忘れている。供給責任を負えなくなるということは地域独占を放棄しなければならないほど大変なことなのに、メディアもそこまでは書かない。

私が東電をとんでもない非常識な会社だなと思ったのは、震災直後の2011年6月28日、『毎日新聞』に頼まれて東電の株主総会を傍聴した時だった。東電本店3階大会議室で報道機関向けの中継が始まるので、入ろうとして、壁の注意書きに目が行った。

「撮影、録音、配信につきましてはご遠慮願います」

驚いて私は「これ、どういうこと。あれだけの事故を起こしたのに」と声を高くした。(メルマガ『佐高信の筆刀両断』2022年4月1日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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image by:360b/Shutterstock.com

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