ネットの批判すら鎮火。KDDI社長の謝罪会見をプロはどう見たか?

2022.07.06
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7月2日未明に発生し、全面復旧まで実に86時間を要したKDDIの大規模な通信障害。3日には同社の高橋誠社長が記者会見を開きましたが、危機管理の専門家はこの会見をどう見たのでしょうか。今回、東北大学特任教授で「謝罪のプロ」として知られ、コンプライアンス研修の講師も務められている増沢隆太さんが、まぐまぐのコンテンツプラットフォーム「mine」内で詳しく検証。増沢さんは当会見を説得力の基本を押さえた見事なものであると高く評価し、高橋社長を「真のプロのお一人」と絶賛しています。

【謝罪プロは見た】KDDI高橋社長のビジュアル効果

日頃から謝罪の失敗をくさすようなことばかり書いてたいへん申し訳ないと思ってはいるのですが、あくまで私の主旨は批判ではなく「学び」です。失敗謝罪には学びが詰まっており、悪い例から自分を守る教訓を得るきっかけとしていただければと常に思っております。だから私は一度たりともお詫びする人の人格を批判したことはないのです。不倫しようが不始末起こそうが、そもそも他人に害を及ぼそうという意図のないやらかしは、人として誰でも起こり得ることです(そこまで積極的に肯定して良いのか??肯定はしてないが、そうゆうことはある、と認めてます)。

なんでこんなこと言ってるかというと、後半で人格についても触れるので、その伏線なのです、って自分で言う?

ということで毎度ダメな謝罪を取り上げる中、先日発生したKDDI通信障害。携帯という今や現代人と切っても切れない最重要インフラが突如使えなくなるという大事件でした。

所轄官庁・総務省が混乱のさなかに「指導・指示」をしたり、当然大事となり、ついには事態がまだ完全収束しない中、KDDI代表取締役社長の高橋氏自ら記者会見に登場しました。

巨大企業トップという悪のラスボス登場!

ここ何年も、これだけ謝罪ブーム(←ブームではないが、やらかせばオイシイ記事コンテンツとしてマスコミ、ネットが飛びつく)が長く続いているのに、ほとんどの芸能人、政治家、本来一番上手いはずの企業トップもやらかします。

知床遊覧船事故の社長土下座会見。お話にならないダメ会見でしたが、オープニングからダメ感満載の雰囲気でいきなり土下座という、謝罪見なれしてきた私たちの予想をビタ一文裏切らないダメっぷりでした。

今回登場したKDDI高橋社長ですが、そこまで知識も関心も無く義務的に(オイオイ)映像を見ていたのですが、正直なところ最初はいつもの超巨大IT企業トップの超エリート社長による、超くそつまらない弁明をしそうな雰囲気だと思いました。口をへの字に曲げ、いかにも気難しい顔つきが画面に映されました。

正に巨大企業トップ=悪のラスボスの雰囲気満載です。

会見は冒頭の社長のお詫びから、普通に始まりました。

ごくごく普通のお詫び、そして長く頭を下げ、ちょっと長すぎ(長すぎると逆にわざとらしい)と思っている内に、高橋氏は「では私の方からスライドで少し説明します」と、スクリーンに向かって進み、ポインターを指しつつずんずん説明をしていったのです。

あれ?

普通、これって専門担当者とか、そうでなくとも横にいる専務とかじゃないの?とけっこうな違和感がありました。先日の尼崎市役所個人情報USB紛失事件におけるビプロジー社の社長が正にそれで、冒頭でのお詫びをした後はすべて担当役員などが説明をしました。

高橋氏はスッとスクリーンに向かい、かなりのなれた口調で今回の事故の概要から、現状、現時点での原因や対応などについて限り無くなめらかに説明を行ったのです。

責任逃れや知らぬ存ぜぬではなく、私が知る限り、KDDIクラスの巨大企業の社長自らがこんな技術的なプレゼンをするのは見たことがありませんでした。

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