上昌広医師が緊急提言。第7波対策には年齢問わぬワクチン接種を

2022.07.27
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驚異的なペースで新型コロナウイルスの感染が拡がり、第7波の只中にある日本列島。コロナ流行以来初めての「行動制限のない夏」にピークを迎えるとされるこの大きな波を、私たちは乗り切ることができるのでしょうか。今回、その対応策として年齢を問わないワクチン接種を挙げるのは、医療ガバナンス研究所理事長の上 昌広先生。上先生は記事中で、さまざまな報告を元にオミクロン株に対するワクチンの効果を紹介するとともに、国内で得られた貴重なデータを紹介しつつ、若年者への3回目接種を強く推奨しています。

プロフィール:上 昌広(かみ まさひろ)
医療ガバナンス研究所理事長。1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

ワクチン4回目接種と第7波対策

新型コロナウイルスの第7波が拡大している。この時期に感染が拡大するのは、昨年、一昨年と同じだ。過去2年とも8月に感染はピークとなり、その後、減少に転じた。もうしばらく感染拡大は続くだろう。

第7波対策で重要なことは、科学的エビデンスに基づき、合理的に対応することだ。年齢を問わず、お奨めしたいのはワクチン接種だ。

まずは、高齢者へのワクチン接種だ。7月6日、カナダのオンタリオ州の公衆衛生局の研究チームが、高齢者施設の入居者に4回目接種を行うことで、3回目接種と比較して、感染を19%、症候性感染を31%、重症化を40%減らすとの研究結果を『英国医師会誌(BMJ)』に発表した。

この研究でのワクチンの効果は、先行するイスラエルの研究よりもやや劣る。4月13日に同国の研究チームが、米『ニューイングランド医学誌』に発表した研究では、60才以上の高齢者に対して、4回目接種を行ったところ、3回接種群と比べ、接種後7~30日間の感染リスクは45%、入院リスクは68%、死亡リスクは74%低下していた。

この二つの研究は、4回目接種により感染自体を予防する効果は低いが、重症化の予防効果は期待できるという点で一致している。高齢者はコロナに罹患した場合、重症化リスクが高い。4回目接種は、感染自体を減らさなくても、重症化させないのだから、有効と言っていい。4回目接種をお奨めしたい。

次は若年者だ。我が国では12歳以上を対象に3回目接種が実施されているが、若年者の接種率は低い。7月25日現在、70歳代以上の3回目接種率は90%を超えるのに対し、12~19才は33%だ。オミクロン株は、感染しても軽症ですむから、接種の必要がないと考えているのだろう。

ただ、オミクロン株は軽症だからと言って、問題がないわけではない。コロナに罹ると、貴重な機会を逸するからだ。東京大学教養学部は、2022年度の前期試験からコロナ感染者の救済措置を廃止しているし、医師国家試験や教員試験などの国家資格も救済措置はなく、コロナに罹れば、留年、あるいは翌年の再試験を待たねばならない。若年者と雖(いえど)も、コロナには罹らない方がいい。

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