安倍氏国葬の強行が「極右政権誕生」の一里塚になりかねない理由

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安倍元首相の国葬挙行についての説明で、「民主主義を断固として守り抜く決意を示す」ことを意義として強調した岸田首相。しかし当の安倍氏はその政治活動において、民主主義を守り続けてきたと言い切ることができるのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、世界中で死に向かいつつある民主主義の現状をさまざまな資料を挙げつつ解説。さらに安倍氏を「憎悪と分断の政治の先駆者だった」としてその理由を示すとともに、この国葬に関する政治思想家の「不気味な発言」を紹介しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年10月3日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

世界中で「民主主義」が死滅に向かっている/日本でも安倍国葬を機に民衆愛国のファシズム運動が起こるのか?

イタリアでジョルジャ・メローニ「イタリアの同胞」党首を首班とする右翼連立政権が誕生しそうなこともあり、世界の民主主義は一体どうなっているのか、という議論が国際的に広がっていて、ニューヨーク・タイムズ9月30日付論説欄は「自由民主主義(リベラル・デモクラシー)は世界中で死滅しつつあるのか?」と題したスペンサー・ボカトリンデルの論考を載せ、日本経済新聞10月1日付電子版にも「劣勢の民主主義、世界人口の3割未満に」とのNY支局発の記事が出た。

イタリアの政治状況をファシズム台頭と結びつけるのは明らかに過大評価で、メローニがかつてムッソリーニ直系のファシスト党の青年組織にいたことがあるのは事実のようだが、言っていることを聞けば「自然な家族に賛成、LGBTロビーに反対、性的アイデンティティーに賛成、ジェンダー思想に反対、イスラム主義暴力に反対、強固な国境に賛成、大量移民に反対、大きい国際金融機関に反対、ブリュッセルの官僚に反対」などで、極右というよりも、ハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相とも似通った民族右派的なポピュリストの同類と見た方がよさそうだ。

それはともかくとして、上記の日経記事を含め最近言及されることの多い幾つかのシンクタンクの「民主主義」の現況分析データに直接当たって見ることにしよう。

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