「1分働かなかったから56円カットね」で訴えられた会社は裁判に勝てるのか?

Pay slip written in Japanese. Description of overtime charges. Translation: Wages. item. Amount of money. Basic salary. Overtime allowance.Pay slip written in Japanese. Description of overtime charges. Translation: Wages. item. Amount of money. Basic salary. Overtime allowance.
 

多くの会社で問題になることも多い「残業代」。その残業代の支払いについて、その時間数に応じて支払いをすべきなのは当然なのですが……。今回の無料メルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』では、著者で特定社会保険労務士の小林一石さんが、「1分間働いていなかった」としてその分の金額を給与から引いた会社が訴えられた裁判の結果を紹介しています。

「1分遅延で56円給与カット」は認められるのか

「1分間の残業に残業代を支払うべきか」

これはもちろん法律的に言えば、たとえ1分間であったとしても答えは「YES」です。

先日も、某レストランチェーンの運営会社で5分未満を切り捨てて給与を支払っていたことが大きなニュースになっていましたね。その会社は5分未満の切り捨てていた給与を過去2年前までさかのぼって支払うことを、あわせて発表しています(総額16億円だそうです)。

この「残業1分間支払い問題」は、私もよくご相談をいただくのですが、実務的には非常に悩ましい問題でもあります。それは、あくまでも支払う必要があるのはその1分間に働いていた場合であって、もし働いていなかった場合は支払う必要は無いからです。ただ、どこで線を引くかは非常に難しいところですね。

では逆に、「1分間働いていなかった」として、その分を給与からカットしていたらどうでしょう。

それについて裁判があります。

ある鉄道会社でミスにより作業の完了が1分間遅れた運転士に対して「遅れた時間は労務の提供がなかった」として、会社がその分の給与をカットしました。

そのカットした額は「56円」。

それに納得がいかなかった運転士が裁判を起こしたのです。ではこの裁判はどうなったか。

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