学校では教えてくれない。間違った情報を「ウソだ!」と見抜く力のつけかた

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その2「事実かな、印象かな?」

今回の講義は全部で4つ内容があったんですけど、あともう1個だけ説明すると、例えば「Bくんの家族東京に勤めてるから、Bくんもコロナかもしれないよ」みたいな。

これ、他の人にシェアしたくなります?あまりないですよね。なぜかって言うとこのBくんの会社が今は東京だよ、っていうのはこれはわかる話。事実。これも確認しなかった嘘かもしれないですけど、これは確認できる事実ですね。

でも、この「東京に勤めてるからBくんもコロナかもよ」っていうのは、「かもよ」って言ってるし、なんとなく意見とか印象で、証拠を言ってないわけですよね。だからこういう決めつけているものがいっぱい溢れてるから鵜呑みにしちゃいけないわけですよ。

例えばこの最後の問題。リポーターが言ってることの中で印象っぽい言葉ってどこでしょうね。

「疑惑のAは、こわばった表情で記者を避けるように家からコソコソと出ていきました」

はい、ぜひ皆さん考えてみてください。そうですよね。

家から「コソコソと」出て行きました、って言うけれども、出ていったのは事実だけどコソコソっていうのはあなたの印象ですよね。だし、ましてや「記者を避けるように」っていうのは、それは本人が言ってるわけじゃなければこれも印象ですよね。

さらに、この「こわばった表情で」っていうのも、こわばってるかどうかっていうのはこのリポートさんの印象ですよね。

でもね、まだあるんですよ。そう、この「疑惑の」っていうのも、どこかの警察とかが発表してるわけじゃないし、ましてや警察が発表してたとしても逮捕されたとしても裁判結果が出るまでは無罪なわけですよね。

だから、この「疑惑の」という言い方をしているのも、これもうリポーターの印象なんです。つまり何かっていうとこの文章って事実だけを残すとこれなんですよね。

「Aは家から出て行きました」

でも僕たちは、ついついこれだけ並べられると「疑惑の」っていうとこを信じちゃったりとか、なんか「記者を避けるように」ってことも信じちゃうわけです。こういう風に、鵜呑みにせずに事実と印象を分けてやるということが大事で。

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