日本に染みついた「ナンバー2」気質。CPTPPの“中国vs台湾”を上手くさばけぬ訳

 

しかしCPTPPに対して米国は冷淡です。記事を続けましょう。

しかし、ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官はその後、米国は独自のインド太平洋経済枠組み(IPEF)に注力しているため、CPTPPは選択肢ではないと記者団に語った。

 

しかし、たとえバイデンがCPTTP貿易協定への参加に関心があったとしても、バイデン大統領は「政治的に弱く」CPTPPを押し通せる可能性は極めて低い。

 

安全保障と政治に関しては日米の意見は一致しているが、経済と貿易に関しては、必ずしも一致しているわけではないのである。

 

焦点は中国本土や台湾の加盟が認められるかどうかに移っている。

 

東京大学先端科学技術研究センターの山口亮特任助教はいう。「もし中国がCPTPPに参加するために改革を約束し続けるなら、中国を排除するのは難しいかもしれない。特に他の加盟国の過半数が納得するのなら」。

解説

米国の参加が見込めない現在、日本がリーダーシップをとらなければなりません。

中国は多くのCPTPP締約国とはまったく異なる経済体制を採用しています。しかもGDP世界2位、軍事大国でもあります。その受け入れはCPTPP加盟国でも賛否があるでしょう。

問題は国際的な枠組みのリーダーシップをとる事に日本が慣れていない事です。No.2とNo.1では全く違う能力が必要となるからです。

これを機会にこういった問題に対する社会的な議論があってもよいかと思います。

PS

中学、高校、大学でこのような議論をする授業があれば日本の教育も変わっていくかもしれません。

執筆後記

日本は全員一致で集団で動くことが得意です。

強固に反対する人やグループがいると、その人をなだめて全員が一致できる妥協点を見出します。ところが、現在は意見が完全に割れる問題が多いです。コロナもそうです。

「多数決に従う」のが民主主義ですが、日本はまだ感覚的に慣れていない気がします。

結局、「全員が消極的に一致できる点」でしか行動できまません。「当面様子を見ましょう」といった決定になりがちです。

このあたりも日本社会の変わっていってほしい点です。 (この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』1月22日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)

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大澤 裕この著者の記事一覧

・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

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