個人の「学力」が高いハズの日本で、なぜ経済が停滞しているのか?

 

なのにも関わらず、「PISAでのランキング向上」を目標に頑張ってしまう国々が現れる。世界銀行は、なんと韓国を槍玉に上げています。

たとえば、近年、韓国の多くの利害関係者は、韓国の優れた教育システムはテストの点数(「測定された学習」)を重視しすぎており、創造性やチームワークなどの特定の社会的感情的スキルを十分に重視していないと主張しています。

 

For example, in recent years many stakeholders in Korea have argued that their high-performing education system places too much emphasis on test scores (called “measured learning” in figure O.13) and not enough on creativity and certain socioemotional skills such as teamwork (“other outputs”)
World Bank. (2018). Overview: Learning to realize education’s promise. In The World Development Report 2018: LEARNING to Realize Education’s Promise.)

Choi, A. (2014, September 4).も同様に、韓国をはじめとする東アジアの教育方法は極端だと指摘しています。

今日でも、儒教国の多くは、受験文化が促進するような教育成果を尊重している。韓国は識字率100%という快挙を成し遂げた。しかし、成功には代償がある。

 

その中で、韓国は最も極端であり、最も成功した国であると言える。韓国は100%の識字率を誇り、批判的思考や分析に関するテストを含む国際的な学力テストの最前線に立つという、驚くべき偉業を達成している。

 

しかし、この成功には代償がある。生徒たちは、成績を上げるために多大で容赦ないプレッシャーをかけられています。才能は関係なく、努力と勤勉さを何よりも大切にする文化なので、失敗を言い訳にすることはできないのです。子どもたちは、学校でも家庭教師でも、一年中勉強しています。一生懸命勉強すれば、十分に賢くなることができるのです。

 

韓国人は基本的に、素晴らしい未来を手に入れるためには、この本当に厳しい時期を乗り越えなければならないと考えています」と、PISAの教育・技能担当ディレクターでOECDの教育政策特別顧問であるアンドレアス・シュライヒャー氏は言う。”短期的な不幸と長期的な幸福の問題です。” 子供にプレッシャーをかけているのは親だけではありません。この文化は伝統的に順応と秩序を尊ぶものなので、他の生徒からのプレッシャーも成績への期待を高めることになる。
Choi, A. (2014, September 4). What the best education systems are doing right. Ideas.Ted.com.)

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