また日本会議の仕業か。広島の教材から『はだしのゲン』や第五福竜丸を削除したい面々が主張する核武装

2023.03.08
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Hiroshima,City,,Hiroshima,Prefecture/,Japan-,Circa,2020,Aug:,Atomic,Bomb
 

小中高生を対象とした平和学習教材から、『はだしのゲン』と米国の水爆実験で被爆した「第五福竜丸」の記述の削除を決めた広島市教育委員会。この流れを識者はどう見るのでしょうか。1250年以上の歴史を持つ愛知県清須市の清洲山王宮「日吉神社」の神職三輪家56代で、『宮司のブログ』著者の三輪隆裕さんは今回、一連の動きの裏に働いていると思われる「意図」について解説。その上で、日本が核武装を考えるのであれば、直ちに『はだしのゲン』と「第五福竜丸」の記述を元に戻すべきとの見解を示しています。

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三輪隆裕(みわ・たかひろ):
清洲山王宮日吉神社 宮司。至学館大学客員研究員。1948年、愛知県にて出生。名古屋大学文学部卒業、諏訪神氏に連なる神職三輪家56代。保守系の国会議員らで組織される日本会議と、全国に8万の拠点を持つ神社本庁による「全体主義」「戦前回帰」に異を唱える言論活動をおこなっている。また、IARF(国際自由宗教連盟)を通じて世界に異宗教間の相互理解と共存を呼びかけている。

広島の平和教材から『はだしのゲン』「第五福竜丸」削除という逆方向

最近、広島の平和学習の教材プログラムから、漫画『はだしのゲン』が削除されたのに続いて、今度は第五福竜丸の記事も削除されたことが話題となっている。

10年近く前に『はだしのゲン』を図書館から撤去せよという運動があったが、この運動を表向き主導していたのは、「平和と安全を求める被爆者たちの会」という組織であった。しかし、その実態は、事務所所在地等からすれば、日本会議広島である。

日本会議広島 公式ホームページ
平和と安全を求める被爆者たちの会 公式ホームページ

さて、産経新聞の記事によれば、「広島市教委によると、平和教育プログラムを再検討する中で「第五福竜丸が被曝した記述のみにとどまり、被曝の実相を確実に継承する学習内容となっていない」との指摘が出た。令和5年度からの改訂版は世界の核実験、核軍縮の動きを地図や表、グラフから具体的に捉えられる内容に変更する方針」という。

はだしのゲンに続き、第五福竜丸の記述も削除 広島市教委作成の教材から(産経新聞)

この文面だけからすると、より具体的な記述に変更となるように思われるが、実体としての第五福竜丸の被災の事実が欠如することによる、記述の迫真力が弱まり、核兵器の恐ろしさが伝わり難くなる心配がある。これは、被災事実と、核軍縮の動きを両方併記することが望ましい。

『はだしのゲン』といい、「第五福竜丸」といい、どうも、それらの削除には、核兵器の恐ろしさを実感することを弱めようとする意図が働いているとしか考えられない。

その目的は、核兵器に対する拒否感を日本人から無くし、日本の核兵器の開発と装備を進めようとすることが目的であるように思われる。

そうであるとしたら、これは、馬鹿げた考え方である。今、ウクライナ戦争で、ロシアがなぜ核兵器を使おうとしないのか?また、米国その他がウクライナにほとんど無制限に武器を供給しているのに、一方では核戦争にならないように必死に工作しているのは何故かということを考えてみれば良い。

つまり彼らは、核兵器の恐ろしさを十分に理解しているから、持っていても使えないのだ。だから、核戦争の抑止のための核武装と、核兵器の恐ろしさを知らしめる核廃絶の運動は両立する。

もし、日本会議を主導する思想家たちが主張し、近年日本人の多くが賛成するようになったと考えられるように、核戦争や他国からの侵略の抑止には核武装が必要であるとするならば、核廃絶の運動は、それ以上に不可欠な核戦争抑止の手段の一つとなるはずだ。つまり、核武装をするからには、核兵器の恐ろしさを十分に知っていなければならないからだ。

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