高市早苗「行政文書」の本丸は安倍晋三。見失ってはいけない放送法“改悪”の本質

ut20230320
 

放送法の解釈変更を巡り、高市早苗経済安保大臣が「捏造」と主張した文書について、調査の結果「捏造はなかった」と国会に報告したとされる総務省。しかし当問題については、文書の正確性ばかりに注目していてはその本質が見えなくなってしまう危険性があるようです。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』ではジャーナリストの内田誠さんが、そもそも当時の官邸はなぜ放送法の解釈変更を企てたのかについて考察。さらに高市氏が発生させた、責められて然るべき「新たな問題」を指摘しています。

やはりキーマンは安倍晋三。高市早苗が「捏造」を強弁する行政文書が問題視された背景

国会の会期が6月末ですか、そのくらいまであるので、はたしてそれまでにどんなことが起こるのか、先週そんなことをちらっと申し上げたかと思いますけれど、ちょっと大きな問題が起きていますね。

岸田内閣は相変わらず外交というところでは点を稼ぐのが大変上手で、今度は12年ぶりでしたかね、韓国との首脳会談ということで、の大向こうの大統領、大統領なりたての方ですが、その方の訪日を得て、その大統領と岸田さんとで何と食事をはしごしたということがニュースになるという、どうかしていると思うのですが、それはそんなにニュース価値ないと思うのですが、そんなことが報じられたりしています。

ところが内政に関しては様々問題を抱えていて、それがどうでしょう、宏池会流のやり方で行くならば、すぐに何か結論を出してしまうという強引なやり方ではなくて、色んな人の意見を聞いて八方がうまく収まるように、これは良くも悪くもですが…やれたと思うのですが。

これ、先日、東京新聞の書評欄に『西山太吉 最後の告白』という本についての書評を書かせていただきましたが、西山太吉さんがずっと取材をしていた場所というか、宏池会の政治家の番記者といった感じでフォローされていた方なので、端的に言えば、大平正芳さんですけれど。そういうお仕事上の経験から、宏池会というのは、その本でもそうですが、一つの派閥の名前ではなくて、政治的な手法についてのことだと言っておられましたので、それはその通りだと思います。

もし、それを現在の宏池会の会長であり、そこから出ている総理大臣である岸田さんがそうしたかつての宏池会の方針を担って実行していれば、こんなことにはなっていないだろうという問題がたくさんありそうですね。本当にこの人、宏池会かという疑問を投げかけたくなるような。とはいいつつ、宏池会の内実も、本当はどうだったのかということも、新しい目で見て、政治学者や政治史学者の方には是非検討していただきたいと思います。

で、今起きている大きな問題は、みなさんご承知だと思いますけれども、総務省の行政文書であることが後に総務省自身によって確認された、放送法の解釈変更の試みといいますか、企てといいますか、その過程を記した78枚の文章に書かれていることについて、当時総務大臣でその文書の中にも重要な役回りで登場する高市早苗さん。

現在は経済安保担当の内閣府特命大臣の一人ですが、その高市さんが自分について書かれていることは捏造であると言い切った。最近、少し言い方を変えて、捏造というのはきつい言い方だったかもしれないというようにちょっと修正されているようですが、つまりはそこに書かれていることは事実ではないと。事実ではない文書を放置したことに責任を感じるという、うまい言い逃れの言い方ですが、そんなことになっていますね。

これ、注意していないと、何が問題なのか分からなくなってしまう可能性があるんですよ、この話。

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