高市早苗「行政文書」の本丸は安倍晋三。見失ってはいけない放送法“改悪”の本質

 

「官僚は捏造をする」ということを公式に認めた高市発言

で、この問題と一応別個に、高市さんはなぜ「捏造」と言ったのか、これが分からないんだ。私の頭では理解できない。教えて欲しいのですが、分かる方がおられたら。つまり高市さんの答弁の過程というのは、答弁したところから先の過程は動かぬ事実としてあるわけですよ。その内容は礒崎さんらの企みとピッタリ合っている。仮に書かれていることを高市さんが事実だと言っても大差はない。それは、高市さんの責任も違法という点ではあるけれど、それは背負ってしかるべきものでしょ。大臣として安倍さんや礒崎さんが言うような、テレビ番組を政権から見た場合の「偏向」ですね。

あの、因みに、「23」にせよ「報道ステーション」にせよ、あるいは「サンデーモーニング」にせよ、それを作っている人たちやゲストのリクルートをしている人たちの意識の中には、これこそが公平、政治的公平を図る道だという確信を持っている人たちだと思います。それに対して答弁してしまっている。逃げられない。なのに、安倍さんと電話で話していません、礒崎さんが放送法に関心をお持ちだということはこの3月まで知りませんでしたと言い張ることに、どんな意味があるのでしょう。分からないのですよ。

高市発言の二つ目の問題性はハッキリしていて、大臣が官僚は捏造をするということを公式に認めてしまっていることになるわけですね。公文書の改ざんとか捏造とかに値する事柄は、それを担わされた官僚が死を選ぶ類いの問題でしょ。これはもう滅茶苦茶ですよ。

総務官僚が捏造をしたということになるとね。国会の審議を聞いていると、ある時期までは文書の内容がチェックされていない不正確な時代と、不正確ではいけませんとなった時代があると。捏造と言っていたのが、不正確とか正確といった、とても穏やかな概念に今変えられようとしている。現に松本大臣はそういう答弁をしている。だからこの書類は不正確なのだと。

それもどうかしているよね。どこがどう不正確なのか。捏造に関して、関わっている官僚がどう言っているか、今、総務省が調査に入っているそうですが、本当に調査しているのか、いや、していると言っているのですが、しかし誰がなんと言ったかについてはご本人の了解がなければ公開できないので、答弁できないと答弁を拒否している。で、小西議員は怒っている。だけど、いずれ何らかの格好で捏造問題の決着を付けなければならないですよね。

その問題まで新たに発生させてしまった高市さんは、この放送法の実質的改悪に加担した罪とともに、この二つ目の問題もある。みんなに怪しからんと言われても仕方がないのではないでしょうか。

仮にこれが捏造ではなく、本当のことだったら議員も辞める大臣も辞めると、どこかで聞いたような言い方ですが、あれ、うつっちゃっているよね。そういうことになっているので、官僚が書かれている範囲で不正確なことはないと言ってしまえば、高市さん、辞めざるを得ないよね。そのような厳しい局面がやってくるのか、こないのか、ちょっと降って湧いた感があるのですが、大変なことになりそうな今日この頃です。

(『uttiiジャーナル』2023年3月19日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方はご登録ください)

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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