もはや中国の属国に。開戦1年で没落したプーチンが滅ぼすロシア

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3月20日からの3日間、モスクワを訪問しプーチン大統領と首脳会談を行った習近平国家主席。しきりに両国の親密さがアピールされましたが、この習氏訪ロは双方にとって実りのあるものだったのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、具体的成果は何一つなかったと断言。さらにウクライナ戦争の開戦からわずか1年で、ロシアが中国の属国と化してしまったという「残酷な事実」を紹介しています。

かくしてロシアは中国の【属国】になった

3月20日から22日まで、習近平はロシアを訪問していました。この訪問について私は、2,455号(3月20日号)で、結果を予測しました。

習近平の目的は、「ウクライナ戦争の和平を仲介し、世界での評判を爆上げすること」。プーチンの目的は、「中国から武器を受け取り、戦争でウクライナに勝利すること」。

両者の思惑がずれているので、実質的進展は望み薄。それでも、「両国関係は最高だ!」と宣伝するだろうと。

実際、何が書いてあったか、一部引用してみましょう。

習近平は、ロシアとウクライナを停戦させることができるでしょうか?

 

プーチンは、一度併合したクリミアと4州を手放すことができないでしょう。ゼレンスキーは、侵略されて奪われた自国領を手放すことができないでしょう。それで、習近平の試みは、うまくいかないでしょう。

 

プーチンは、中国から武器を受け取るでしょうか?こちらも、なかなか難しい。中国がロシアに武器を供与していることがバレれば、欧米は中国に制裁を科すでしょう。

 

欧米日は、世界GDPの約半分を占めています。一方、ロシアが世界GDPに占める割合は、2%以下。中国が、欧米日との経済関係を犠牲にして、ロシアに武器を供与するとは思えません。もちろん、「ばれない程度にこっそり」というのはあり得るでしょう。

 

結局、習近平の訪露は、成果をあげられない。しかし、習近平もプーチンも、「中国とロシアの関係は、歴史的に最高レベルだ!」などと宣言し、良好な関係をアピールすることでしょう。

実際は、どうだったのでしょうか?

中国の和平案について。

プーチンは、「西側とウクライナは受け入れる準備ができていない」といいました。これは、「西側とウクライナのせいにして、習近平の和平案をやんわりと断った」ということです。中国が発表した「停戦案」要旨はこちら。

外交部が「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」を発表

習近平の和平案は、具体的なものではありません。だから、習近平は、プーチンの合意をとりつけ、「具体案」に進みたかった。

ところが、プーチンが、「いや、西側とウクライナは準備ができていないだろう」といったので、話が進展しませんでした。

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