中国と韓国にも喰われる始末。なぜ日本の製造業はここまで凋落したのか?

Tokyo,,Japan,-,June,10th,2017.,Clean,And,Neat,Homeless
 

かつては世界が羨み嫉妬した経済大国も今は昔。その凋落ばかりが語られ国民生活も苦しくなる一方の日本ですが、なぜ我が国はここまでの惨状に陥ってしまったのでしょうか。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では元国税調査官で作家の大村大次郎さんが、国際データを読み解きつつその原因を考察。そこから明らかになったのは、製造業の労働生産性の低下を招いた「ある理由」でした。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の2023年4月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

なぜ日本の製造業は中国、韓国に喰われたのか?

日本経済は、バブル崩壊以降低迷していると言われています。特に平成時代は、「失われた30年」とさえ言われ、世界における日本の存在感は年々薄くなり、国民生活は年々厳しくなっています。

バブル期には、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とも言われ、日本は世界経済を席巻する存在でした。日本の工業製品は世界市場で圧倒的な強さを示し、電化製品や自動車は世界中に溢れていました。

そして日本の経済成功により溜まりに溜まったジャパンマネーは、世界経済の動向に大きな影響を与えるようになっていました。欧米の有名企業を日本企業が傘下に置いたり、世界の主な都市の象徴的なビルディングを日本の企業が買収するようなことも多々見られました。

たとえば、アメリカ・ニューヨークの象徴ともいえる「ロックフェラーセンター」を日本企業が保有していたこともあったのです。ロックフェラー・センターというのは、ニューヨーク・マンハッタンの中心部の約8万平方メートルの敷地に、19の商業ビルを隣接させた複合施設です。

アメリカの大企業家であるロックフェラーが、その財力によって1930年から建設を始めたものであり、アメリカの豊かさを象徴する建造物群でした。

またベルリンの壁の跡地には、日本のソニーが巨大な複合商業施設「ソニーセンター」を建設し、ベルリンの新しい名所ともなっていました。

日本の一人勝ち状態は、世界の羨望とともに「日本バッシング」として、激しい批判を浴びることもありました。

現在では、そういう話は完全に過去のものとなっています。日本の工業製品は世界市場から次々と退場していき、中国、韓国、そのほかの新興国にその座を奪われつつあります。かつて日本は、世界の工場と言われたこともありましたが、その名称は今は中国や東南アジア諸国のものになっています。

ロックフェラーセンターもソニーセンターも、その大半が日本企業の手から離れています。本当に日本経済は低迷しているのでしょうか?もしそうならば原因は何なのでしょうか?

今号から数回に分けてそれを国際データから読み解いていきたいと思います。

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