ここにも竹中平蔵の悪影響。京大教授が懸念する「テロ多発国家」に成り下がった日本の現状

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4月15日に和歌山市で発生した、岸田首相襲撃事件。世界一安全と言われる我が国は今、安倍氏銃撃から1年足らずの間に政治家を狙った凶行が再び起きてしまう異常事態となっていますが、何がかような状況を招いてしまったのでしょうか。今回のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』では著者で京都大学大学院教授の藤井さんが、昨年11月に襲撃を受け重症を負った社会学者の宮台真司氏が、自身との対談で語った「日本がテロ多発社会となった原因」を要約して紹介。その上で、テロ対策の強化だけを叫ぶメディアが認識すべき現実を提示しています。

(この記事はメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2023年4月16日配信分の一部抜粋です)

岸田首相も襲撃の的に。なぜ令和ニッポンは「テロ多発社会」となってしまったのか

和歌山に選挙応援のために訪れていた岸田文雄首相をターゲットに爆発物を投げ込むテロ事件が起こりました。岸田首相に投げつけられた「鉄パイプ爆弾」と見られるものは爆発したものの、それは投げつけてから約50秒後の事であったということから、岸田氏は無事避難できました。

まだ、犯人の「木村隆二容疑者(24)」の動機については明らかにされていませんが、この事件で、誰もが昨年7月の奈良での安倍暗殺事件を思い起こしたものと思います。安倍暗殺事件の時は誠に不幸にも犯人の意図は完遂される結果となりましたが、今回は未遂に終わり、岸田文雄氏という一人間の命が失われなかったという災い中の幸いに、ほっと胸をなで下ろした方は多かったものと思います。

松野官房長官からは「選挙の中で今回のような暴力行為は断じて許されない」との声明が出されておりますが、政府としても、そして我々一般社会としても、政治家を狙ったこうしたテロ行為に対して毅然とした厳しい態度をとり続けることが必要であることは論を待ちません。

しかし、昨年11月には、当方の言論仲間でもある宮台真司氏がナイフで切りつけられるというテロ事件も起こっていることも踏まえれば、昨年7月の安倍暗殺事件、昨年11月の宮台襲撃事件、そしてこの4月の岸田襲撃事件と、今やもう、数ヶ月おきに政治家や著名人を狙ったテロ事件が連発していることになります。

戦後日本においては少なくとも昭和後期から平成期の日本においてはこうしたテロが多発、連鎖することはなかった事を思い起こせば、隔世の感を禁じ得ません。

令和日本がこんなにテロが多発する「テロ多発社会」となったのは一体なぜなのでしょうか…?

この問題について、当方は表現者クライテリオンにて、年末年始特集の「『反転』の年 2022-2023:戦争、テロ、恐慌の時代の始まり」で詳しく論じたところです。

一言で言えば、もう今の日本は、昨年7月の安倍暗殺事件を象徴ととする「テロ」が頻発する時代になっているのであって、(政府が一言で言うならネオリベ的=新自由主義的な軽薄な政治を続けている限り)その時代の流れは避けることができない状況にあるのだ、という事を、論じていたのです。

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