自粛で弱った「要介護高齢者」だらけになる日本のコロナ対策は本当に成功したのか?

 

5月8日に「第5類」に移行した新型コロナウイルス。今回、メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』の著者、現役医師で作家の和田秀樹さんは自身のメルマガで、日本のコロナ対策について触れながら「日本はコロナ対策に成功した」とする大手マスコミが、目を背けている“現実”を伝えています。

コロナの死者が少なければコロナ対策は成功だったのか

テレビの討論番組を見ていたら、5類移行後のコロナ対策の話をしていた。

例のコロナ煽り男の、松本とかいう私の前にいた大学の教授も出ていた。

司会者は、松原とかいうテレビ御用達のキャスターだ。

この人が何をあろうか、日本は感染者も少なかったり、死者も少ないから、コロナ対策は成功だったという。

人の死者が少なければ、対策は成功なのか?

ここでも書いているが、世界でいちばん自粛期間が長かったため、これから身体機能や認知機能が落ちた高齢者たちが、どんどん要介護高齢者になっていく。

こういう長期的なものの見方は私立文系だからか、それともマスコミの人間だからか知らないが、できないのだろう。

また経済だって、もとに戻っていないのは日本くらいだ。

日経の日曜版をみても、夜の明るさはパリもロンドンも2019年より増しているのに、東京はなんと、いまだに11.6%減だという。

経済だけでなく、夜の飲食文化もどうなってもいいということなのだろうか?

死者数が少なかったというが、それは初年度、ワクチンや使えそうな薬がなかったころの死者数が少なかっただけで、最近では日本のほうが欧米より死者数は多い。

当初は、日本だけでなくアジアでも死者数が少なかった。

おそらくは、アジア人だけが風邪をしょっちゅうひくから、なんらかの免疫があるのだろうという話だ。これがファクターXと言われるものだが、まだその原因は明らかになっていない。一つだけ言えるのは、これは感染対策がうまくいったからではない。

あと、日本は医療水準が高いので肺炎になっても死なないという強みもあった。後から調べてみると、とくにアメリカで死者が多かったのは、やはり貧しい層だった。金があってちゃんと医療を受けられる人は、アメリカでもそう死んでいなかったのだ。

あの頃の欧米のロックダウンと比べると日本だけ対策が充実していたわけではない。

そして、つい最近まで自粛政策をやることで、人々の免疫機能が落ち、欧米以上の人たちが亡くなっている。

これが成功と言えるのか?

※本記事は有料メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』2023年5月13日号の一部抜粋です。

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