この20年なにをしていた?大手スポーツチェーン店の無自覚

sport clothes store in shopping mall
 

3.業界のリーダーとして

つまり、業界のリーダーであるべき立場にもかかわらず、新しい業態を開発したわけでもありませんし、新しい売り方を提案したわけでもありません。少なくとも、この20年間は少しも変わっていないのです。

このことは、スポーツ用品業界にとって、決して良いことではありません。まるで、皆さん思考停止に陥っているようです。

1位のアルペンの2021年の年商は約2,300億円、2位のゼビオは1,280億円、3位、4位の店は600億円以上の売上を示しています。資金力はあるはずです。革新的な店づくりができないものでしょうか。

そこで、たとえばこんな店は考えられませんか。

・モノづくりが体験できる工場のような店
・短期間でのスポーツの上達を約束する店
・スタジアムやアリーナにいるように感じられる店
・海外でのスポーツ体験を販売する店
・これからスポーツを始める人のためだけの店
・全商品に使い方動画が見られるQRコードのついた店
・スポーツテクノロジーの商品だけを販売する店
・毎日、スター選手との交流が出来る店
・スポーツ選手のための音楽を販売する店
・ニュースポーツだけを扱う店
・スポーツ指導者のためだけの店

考えれば、まだまだアイデアは出てくると思いますが、ひとまず「安売り」から離れることです。そして、スポーツ用品業界のためになることは何かと考えることです。

いずれにしても、今のスポーツチェーンは、売れ筋の商品を売る事しか考えていません。ですから、有名ブランドに偏った店になっています。別に、そうした店があっても構いませんが、それだけでは業界が発展しません。

新しいアイデアで、画期的な店を作り、より多くの人にスポーツを楽しんでもらうのが大手チェーンの役目です。

十年一日同じことを繰り返しているだけでは、発展は望めません。ぜひとも、リーダーとしての自覚をもって欲しいと願うものです。

■今日のツボ■

・大手スポーツチェーンの最近の業績は、好調とは言えない
・大手スポーツチェーンは、革新的な店を提案するべきである
・業界のリーダーとしての自覚をもって、発展につくしてもらいたい

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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