経営者がすべき「TTP=徹底的にパクる」ということ。ただし、注意点もある

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あなたは「TTP」という言葉を知っていますか?無料メルマガ『飲食店経営塾』の著者で飲食店コンサルタントの中西敏弘さんは、この言葉をTTP=徹底的にパクるとし、経営者に推奨しています。ただし、良い点をそのまま真似すればいいというものでは当然、ありません。今回のメルマガで詳しく解説しています。

あなたには、社長として確固たる「軸」「信念」はあるのか?

TTPという言葉はご存知だろうか?

環太平洋ナントカかんとか、ではなく、徹底的にパクるの略である。いいものは、とにかく何でもまねて自社に取り入れてやってみようということである。

ただ、取り入れる際の注意点がある。

それは、自店、自社の軸と照らせ合わせて、自社の特徴をいかせるかどうかを検討する必要があるということだ。特に、飲食店の売上に直結するメニューに関することや接客に関することほど、自社の軸と照らせ合わせることが必要だ。

例えば、今は人不足でどこの飲食店も人が足りない。

だから、オーダー方法をタブレットに変えたり、レジをセルフ化したり、あるいは、ロボットを導入する店も増えている。また、料理の提供方法を回転寿司のレーンのようなものを活用するようなお店も出てきた。

「他の店がやってるから、うちも是非導入すべきだ!」
「これを活用すれば人件費も下げらるし、一石二鳥だ!」

と、早合点してはならない。もしあなたの店が、接客の評判が良くてお客様との接近戦に強みがある店だとしよう。

お店が、「接客」が売りとなっていてそれが他店の差別化につながっていたのであれば、上記のようなデジタル化は下手をすると「客離れ」を起こすことになる可能性があるのだ。だから、何をするにも自社の「軸」と照らし合わせて判断することが重要だ。

よく、「周りがやっているから」「繁盛店がやっているから」という理由だけで、マネをする経営者がいる。

そういう人は、「軸」がないため、コロコロと言うこととやることが変わる。

朝令暮改ということばがあるが、もちろん、間違ったことをやっていたらすぐに行動を変えることは大切なことだ。ただ、何も考えず、コロコロと言動を変えていては、店の「立ち位置」が定まらず、結局は客離れを起こす。

そして、もう一つ考えるべきなのは、社員が困るだろうし、社員が知恵をつければつけるほど、経営者との距離が出てくるということだ。

なぜなら、知識が増えれば増えるほど、「軸」を重視するだろうからだ。

「うちは、こういう会社じゃなかったっけ?」
「うちは、結局何がやりたいんだろう?」

トップの方針が見えないと、社員は士気があがらない。当たり前だ!何をしようとしているのか分からない人についていこうとは思わないからだ。

トップの仕事とは、方針を決定し示すことだ!

あやふやな言葉ではなく、

「うちはこういう店つくりをしていきたい」
「うちの強みはこれだから、もっとここを強化していこう」
「この強みを伸ばして、この強みではどこにも負けない店にしよう」

などなど、どう他社と差別化するのか、どうお客様に選んでいただくのかを決定することがトップの仕事だ

そのためにも、自社・自店の「軸」がないと何も決定できない!

売上が伸び悩んだり、スタッフ不足に悩んでいる店ほど、会社・店の「軸」がはっきりしないところだ!

何が売りなのか、何が特徴なのかがはっきりしない会社(店)をお客様が選ぶはずがない!

何ができるのか、どんなメリットがあるのか、自分を活かせるかどうかが分からない会社(店)を誰が選ぼうとするのか?

あなたには、社長として確固たる「軸」そして「信念」はあるだろうか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中西敏弘 【発行周期】 毎週2回

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