蕨市にクルド人が急増。英エコノミスト誌が「ワラビスタン」を取り上げた訳

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埼玉県の蕨市や川口市周辺で増加しつつあるクルド人人口。その数2,000人以上とされ、「ワラビスタン」なる呼び名も定着しつつある状況です。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、そんな在日クルド人たちを取り上げた英誌エコノミストの記事を紹介。さらにイギリスを代表する雑誌が彼らを記事化した理由を解説しています。

「ワラビスタン」は対岸の火事か?日本におけるクルド人問題

パレスチナ問題が世界の注目を集めています。

イスラエルとパレスチナの領土や主権の問題です。

中東にはもう一つの火種があります。クルド人問題です。

クルド人(Kurdish people)は、クルド語を話す民族集団であり、主にイラン、イラク、トルコ、シリアなどの中東諸国に居住しています。

彼らの住む地域はクルディスタンと呼ばれています。クルド人は、独自の国家を持たないため、これらの国々で少数派として存在し、しばしば差別や政治的な抑圧を受けてきました。

それで各国の政治的な不安定性の要因となっています。特にトルコとシリアの国境地域では、クルド人勢力とトルコ政府との対立が続いています。

そしてヒューマン・ライツ・ウォッチなどの人権団体がクルド人の権利侵害に関する報告を発表しています。

そんな状況の中での英誌エコノミストの10月28日の記事です。

日本のクルド人に会う

~クルド人コミュニティが日本の移民政策の無意味さを示している~

 

東京の北、蕨市の教室で、11歳の少年が「川」と「木」の文字を書く練習をしながら日本語でおしゃべりしている。この少年ボランは日本人ではなくクルド人である。

 

蕨市とその周辺地域には約2,000人のトルコ系クルド人が住んでおり、その数は10年間で4倍に増加した。

 

ケバブ店が通りに並び、ゴミの分別方法の説明はトルコ語で書かれている。地元ではこの地域を「ワラビスタン」と呼んでいる。

 

このコミュニティは、数十年ぶりに日本で起こる最大の社会的変化の一つを示している。日本の高齢化と労働力の縮小は新鮮な血液を急に必要としている。

 

しかし、日本の政策立案者は移民に強く反対し続けている。その結果、裏口経由での移民の数を増やす、ほとんど認識されていない政策が実施されている。

 

日本の外国生まれの人口は1990年以来3倍に増加し、2022年には300万人、人口の2.4%に達した。

 

蕨市とその周辺地域もこのトレンドを示している。隣接する川口市の4万人の外国生まれの住民は、人口の6.8%を占めており、数十年前には考えられない水準である。

 

これらの移民は地元経済にとって不可欠だが、多くは違法滞在者であり、労働許可証を持たない長年の亡命申請者である。

 

ほとんどの亡命申請者は不安定な状況で生活している。

 

クルド人のうち、正式な難民地位を得たのは1人だけである。

 

何千人もの人々が有効なビザや労働許可証を持っておらず、ビザの期限を過ぎて滞在したり、違法に働いたりしていることがよくある。

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