デザインフェスタに出品したマフィン屋の「糸引きマフィン」や、焼肉店「牛角」での集団食中毒が問題となっています。今回は、メルマガ『食品工場の工場長の仕事』の著者である川岸宏和さんが、食品を扱う工場において「生卵で食中毒を出さないようにするためのポイント」などを伝授。食品を扱う仕事はもちろん、それ以外の方も必見の内容です。
マフィン屋が閉店騒動。食中毒を出さないようにするポイント
●食中毒を出さないこと
あなたの工場で使用している食材の潜在的危害を(potential hazard)を把握していますか。従業員教育においても、潜在的危害の教育が必要です。
「新鮮な食材には危害は無い」「うちで取り扱っている食材には危害なんか無いよ」と思うのでは無く、生卵にはサルモネラ菌という潜在的危害がある物と思って取り扱う事が必要なのです。
食品を食べて食中毒を起こすためには一定数以上の食中毒菌を体内に取り込む必要があります。
食材に潜在的に付いていた細菌などが増殖し一定数以上に増えて、菌が増えた食材を体の中に入れる事で食中毒になるのです。
工場で取り扱う食材の菌が増えないような管理が必要なのです。
生卵の潜在的危害はサルモネラ菌になります。サルモネラ菌は、5℃を超えると増殖してしまいます。
生卵を保管するときには、5℃以下で保管することが大切なのです。
卵にサルモネラ菌が付くのは、殻の周り、もしくは黄身の中に直接付いている場合もあるとされています。
卵は産まれてから直ぐに5℃以下の状態で保管することが、卵によるサルモネラ中毒を防ぐ事になるのです。
●作業者からの汚染を防ぐ
食中毒菌は、原材料からだけでなく、作業者から食中毒菌が製品を汚染する場合があります。「何故帽子をかぶる必要があるか」「何故マスクをする必要があるか」「何故手をあらっても手袋をする必要があるか」など具体的な事例をあげ従業員教育を行う必要があります。
●賞味期限、消費期限前に変質しないこと
賞味期限、消費期限まで変質しないことが最低条件です。カビが生える、開封したら臭う等といった事例は、食中毒を起こさないまでも、クレームになってしまいます。
特に、賞味期限が長期にわたる商品は、保存温度を36℃程度にあげた虐待検査を行い、市場よりも早く品質異常に気がつく事が大切です。
チェックのポイント
- 潜在的危害がある食材を把握し、教育を行っているか
- 従業員からの汚染を防ぐ教育を行っているか
- 市場変敗クレームを事前に気がつく体制が取られているか
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