京大教授が“怒り”の解説。自民パー券裏金疑惑で一番悪いのは、企業と与党の“癒着”による「腐敗」だ

kensatsu202312
 

永田町を大きく揺るがせている、自民党安倍派のパー券裏金疑惑。臨時国会閉会後の14日以降、東京地検による捜査が本格化すると見られています。この問題の本質について思いを巡らせているのは、京都大学大学院教授の藤井聡さん。藤井さんは自身のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』で今回、裏金疑惑の「道義的問題」を考察するとともに、我々国民がくみ取るべき「東京地検特捜部が発するメッセージ」を提示しています。

(この記事はメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2023年12月12日配信分の一部抜粋です)

自民党「裏金問題」の本質は「未記載による法律違反」ではない。企業との癒着による政権与党「腐敗」である

…この問題、法的な問題はさておいて「道義的」な問題として考えたら一体何がワルイ話しなのでしょうか?

それは一言で言うと

「企業と自民党政治家が、パーティ券購入を巡って癒着し、それによって、政治が、その癒着によって歪められ、日本国民が大被害を受けている」

ということそれ自体がワルイこと、なのです。

この点から言うと、200万であろうが1億円であろうが悪さは同じなのだから、岸田派も安倍派と同じくワルイ、と判断すべきだと言うことになります。同様に2,000万円以下の松野さんも、4,000万円以上貰っている大野・池田・谷川氏も同じだけ悪いんだ、という話しになるわけです。

どういう事かというと…企業は、政治家に取り入って、自社の利益になるように動いてほしいという「下心」でパー券を買う一方、政治家の側は、パー券を買って貰った「見返り」に、その企業に対して「便宜」を図るという構図が、この問題の背景にはあるのだ、ということなのです。

そもそも派閥所属議員は、派閥のパーティがある度に、凄まじいノルマ、を課せられます。そのノルマを達成すれば派閥の中で優遇されて「出世」できるけど、達成できなければ冷遇され出世できない。

だから、派閥議員達はノルマ達成に必死になるのです。で、そういう議員達は何とかパー券買って貰うために「パー券買ったらオイシイことが有りますよ」と陰に陽に言い出すことになります。そしてその結果、政治が実際に歪むという事になってしまうわけです。

このことはつまり、「たかだか数万円のパー券」のせいで政治が歪んでいくという構図が、あるわけで、その構図の存在を特捜部は問題の核だと考え、法律を使って「逮捕」するための徹底捜査に踏み切ったわけです。

ですから、表面的な法的問題の背後にあるのがこの、「パー券を通した与党と各業界の癒着構造」問題なのです。

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