子供を持つ親の皆さん、最近「抱っこ」をしてあげていますか? メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』の著者で現役小学校教師の松尾英明さんは今回、ある一冊の絵本を読んで得た、学校では満たせない親子関係の重要性について紹介しています。
現役小学校教師が語る「子どもと抱っこ」について
学級懇談会があった。
そこで、次の絵本を紹介し、読み聞かせをさせてもらった。
『ねえ ママ』こやま峰子 作/平松恵子 絵 金の星社(2011)
以前、神戸の多賀一郎先生に紹介していただいて知った絵本である。
子どもは、抱っこして欲しい。
これは子どものもつ本能である。
人は愛情がないと生きていけない。
抱っこは、食事と同じで、いっぺんに溜めることができず、日々必要になる。
だから、少し時間が経ってからも補充されずに「空腹」な状態が続けば、いずれ「飢餓」状態になる。
そういう危機的状況になると、その子が本来しないような、いじめや怠学などの「異常行動」が出るようにもなる。
学校の子どもたちへの「抱っこ」は、基本的に教員にはできない。
特に今の時代、下手なことをすればすぐにセクハラで訴えられる時代である。
また、そんなリスクをとったところで、いずれにしろ補充はできない。
この点、教員には完全代替ができないのである。
例えるなら、それはインスタント食品のようなものである。
相手の空腹をとりあえず満たすことはできるかもしれないが、栄養の面で十分とは到底いえない。
親の抱っこが必要である。
別にそれは、実母だとか血の繋がりがどうこうという点が本質なのではない。
自分にとっての「最高の安全基地」における補充であればいいのである。
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