小林製薬「紅麹」事件の黒い疑惑。173社リスト?御用学者?2件のアベ案件?いま消費者が本当に知りたいこと

2024.03.29
by kousei_saho
Dried red yeast rice from top view
 

「“あったらいいなをカタチにする」をブランドスローガンとする小林製薬が、あってはならない大問題を起こしてしまった。弊サイトでも既報のとおり、小林製薬は22日、紅麹ベニコウジ)の成分を含んだサプリメントを摂取した人に腎疾患などの健康被害が発生したとして、該当製品の自主回収を発表し速やかな使用中止を訴えたがその後被害は拡大、29日午前中の時点で同社の「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた5名の方が亡くなるという事態となっている。

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28日に大阪市内のホテルで開かれた同社の株主総会では、出席者を前に壇上で涙を見せたという小林章浩社長。これについてネット上には

《泣きたいのはサプリ飲んで亡くなった人の遺族だろう》

《泣きたいのは飲みきって手元に証拠のない私の方だ》

《泣きたいのは紅麹の購入者でしょうどう考えたって》

との意見が多数書き込まれた。医療に関する書籍の出版経験もある50代の男性ライターはこう話す。

「そもそも小林製薬が問題を把握したのは1月15日、そこから問題を発表した3月22日まで2ヶ月以上も時間がかかっています。対応が後手後手すぎて、消費者の不安が高まるのも当たり前です」

一方で、紅麹に関する風評被害を懸念する声や、過剰反応を慎むようにとの指摘も散見される。それらは果たしでどこまで信用できるのか。

消費者が取りうる「自己防衛策」はあるか

小林製薬は24日に同社製の紅麹を国内外の卸売業者52社に販売していたことを発表したが、28日には厚生労働省が該当の52社から原料の供給を受けた173社を公表。こちらの記事に全社名が掲載されている。

「紅麹は近年になって健康食品の原料として注目を集めており、今回問題となっている小林製薬のサプリの原材料名にも『米紅麹(米、米胚芽、紅麹菌)』と明記されています。この紅麹菌の培養液から抽出したのがベニコウジ色素で、食品の着色料として古くから利用されているものです。厚労省が発表した173社の製品にはベニコウジ色素を使用した企業も含まれているはずです」(前出の男性ライター)

とは言え公表されたのは企業名であり、消費者が普段目にする商品名ではなく、上掲の記事によれば厚労省は各々の社に「小林製薬と同じ原料を使って同じ程度の量を摂取する製品や、過去3年以内に医師から健康被害が1件以上報告された製品がないかを調べるよう依頼するとしている」とある。

つまり国民には「今後の調査結果を待て」とのことなのだが、現時点だけでも5名の死者が出ている状況で、ただ指をくわえて見ているわけにもいかないという消費者が多数だろう。

そのような中で話題になっているサイトがあるという。情報を提供してくれたのは40代の男性ネットメディア編集デスクだ。

ヨドバシ・ドット・コムが食品の成分まで検索できるとネットユーザーたちの間で評判になっています。検索ボックスに『紅麹』や『ベニコウジ』と打ち込むと、使用されている商品が表示されます」

ヨドバシ・ドット・コムとは言うまでもなくヨドバシカメラが運営する通販サイトで、最短で注文当日に商品が届くのが売りだ。早速筆者も試してみたが、「紅麹」で検索をかけると1,459件もヒットした。

「『対象商品が多すぎる』と嘆きの声もありますね(笑)。もちろんヨドバシに登録されている情報や検索システムが100%信頼できるかどうかは意見が分かれるところですが、消費者心理を考えると、これが評判になるのは当然ではないでしょうか。『風評被害を助長する』といった意見もありますが、それは酷というものです」(同前)

“やらせレビュー”を見抜くシステムを使ってみた結果

同じ通販サイトでも、Amazonはまた別の使い方ができるという。

「中国系業者による“やらせレビュー”に汚染されて、最近はまったく当てにならないとも言われているAmazonのカスタマーレビューですが、例えばDHCの紅麹サプリ関連レビューは多くの人に参照されています」(同前)

DHCといえば、同社元会長による朝鮮半島出身者への度重なる差別発言が問題視されたことが記憶に新しい。現在国内で販売されているサプリに小林製薬の紅麹は使用していないと発表している。

「カスタマーレビューには“DHCの紅麹サプリが原因”と主張する購入者の体調不良が多数書き込まれているのですが、“やらせレビュー”を疑ってこの商品を『サクラチェッカー』で確認してみたのですが、“合格点”が出ました」(同前)

サクラチェッカー」とは、Amazonを始めとした通販サイトのサクラやヤラセ、ステマのレビューを簡単に見抜くという最近話題となっているシステムだ。

「DHCの紅麹商品と体調不良の因果関係は不明ですが、少なくともレビューはヤラセではないようです」(同前)

小林製薬由来の紅麹を使用していないというサプリであっても、購入者の「不調を訴える声」が上がっているのは事実のようである。

“正義のアベ”と“ヤバい方のアベ”

紅麹サプリの問題を把握してから発表に至るまで2ヶ月以上を要した小林製薬だが、X(旧Twitter)にはこんな投稿がなされている。


小林製薬、紅麹コレステヘルプの健康被害を報告した病院の教授を当初「クレーマー」として対応していた
http://rabitsokuhou.2chblog.jp/archives/68961133.html
処方箋医薬品のメーカーMRに比べたらたしかに対応は遅いかもね
大学病院から報告があったら何ならその日の内に飛んでくるよね

そのリンク先には、日本大学医学部の阿部雅紀主任教授が診察した3名の患者の疾患について、その原因が小林製薬の紅麹サプリである可能性を同社に伝えたところ、「同様の情報はない」との説明を受けたと報じるNHKのニュース番組の内容が引かれている。阿部主任教授が問い合わせを行ったのは2月1日とされ、小林製薬が問題を把握した1月15日以降であることが注目される。ネット上では早くも“正義のアベ”と称賛されていると前出のネットメディア編集デスクが情報をもたらしてくれた。

今回の問題に関して、テレビで積極的にコメントを発しているのは東京大学の唐木英明名誉教授。複数の番組で、小林製薬の紅麹から発見され被害の原因になった疑いのある“未知の成分”について、「誰かが意図的に持ち込んだ可能性」を口にしている。

しかしXにはこのようなポストが。


小林製薬の紅麹問題、唐木英明先生があちこちでコメントされているようですが
唐木先生がコロナ禍に「ワクチン最低1回接種でデルタ株は風邪になる!」みたいな酷い主張をしていたことや、機能性表示食品制度の黒幕である森下竜一氏と繋がり深いことなど踏まえ、話を聞いた方がいいと思いますよ…

大きな被害を出している小林製薬の紅麹サプリは、故・安倍晋三元首相が2015年に経済成長戦略のひとつとして導入した機能性表示食品制度を“利用”して信用を得てきた製品。その導入の旗振り役となったのがポスト内に名の挙がっている森下竜一氏だ。

「そんなこともあって、唐木先生は森下さんを“サポート”しているのでは、など言う声も一部では上がっています。御用学者扱いですよね」

上記の阿部主任教授が“正義のアベ”なら、機能性表示食品制度を導入した安倍晋三元首相は“ヤバい方のアベ”となってしまうのか。

多数の消費者が、カネミ油症事件や森永ヒ素ミルク事件を連想してしまうほどの今回の大事件。これ以上の被害が広がらないことを切に願う。

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