柳井正氏は、山口県の古びた紳士服店からどうやってユニクロを作ったのか?

 

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

「もし一円玉が落ちていたら迷わず拾え。恥ずかしがる必要なんかない。商売は一円の積み重ねやけん。逆に、ない袖を振ってもつまらんぞ」(父の口癖)

姉は自宅にやってきた柳井青年の足元に注目したのだという。特に高級というわけでもない古い靴を履いていたが、古くて質素な品だからといっておろそかにすることはなく、ちゃんと磨いて丁寧に使い込んでいることが見て取れたというのだ

流通業の先駆者、小嶋千鶴子からの教えとはなんだったのか。柳井に聞くと「小売業をシステムとして確立しようとしたこと。そのため、とにかく教育熱心であること」と返ってきた

祖業である紳士服は、一着が5万円から10万円はする。単価が高いのは良いが一方で、なんと言っても回転率が悪い。(中略)しかもスーツを売るには丁寧な接客が不可欠となる

時代の変化を傍観するのではなく、今手の中にあるもののはるか先にあるもの、周囲からは「アホじゃないか」と思われるくらいのことを考え、行動に移せ

クロックの言葉が胸に響く。「Be daring, Be first,Be different(勇敢に、誰よりも先に、人と違ったことを)」

最初から改装しなくてもよい店作りに

もはや国際社会は貿易によるモノの交換という大航海時代以前から徐々に築き上げられた古い形の分業体制から、製造や販売まで緻密に一体化された水平分業体制に移行している

現実の延長線上にゴールを置いてはいけない

「それまでも僕は努力してきた。でも、たいして成長がなかった。それはなぜか。行き先を決めていなかったからです」

「僕は行き先を決めた。どうせ行くなら行き着く先まで行こうと決めた。それは世界一になることです。世界一になるために仕事をやろうと決めたんです」

「失敗したらどうするのか。ほとんど失敗する」

ジェイはこう語る。「これは服の民主主義なんだなと思いました」

「もし、ここに高く堅い壁があって、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます。どれほど壁が正しくて、卵が間違っていたとしても」(村上春樹氏の演説)

アマゾンの内容紹介ページで、出版社が「これぞ決定版!」と書いていますが、おそらくこれを超えるユニクロのノンフィクションは、今後出てこないでしょう。

それぐらいの傑作だと思います。

ぜひ、読んでみてください。

image by: Nambawan / Shutterstock.com

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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