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森喜朗氏の権力は健在?手放さぬ「日本スポーツレガシーコミッション」の甘い汁=山岡俊介

女性蔑視辞任で森喜朗氏の権力を振るう団体がなくなったかと思えば、とんでもなかった。今後も何としても手放したくないと思っているのが、一般財団法人「日本スポーツレガシーコミッション」(事務所はJOCと同じ)の最高顧問のポストだという。(『アクセスジャーナル・メルマガ版』山岡俊介)

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※本記事は有料メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2020年12月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:山岡俊介(やまおか しゅんすけ)
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。

「女性蔑視」辞任でも消えぬ森元首相の影響力

森喜朗元首相(83)が、女性蔑視発言で公益財団法人「東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会」の会長を2月12日に辞任したのはご存じの通り。

森氏とスポーツといえば、自身が早稲田大学時代に入部していた関係でラグビーに最も熱心(とはいえ4カ月で退部)。今回の女性蔑視発言の舞台になっている公益財団法人「日本ラグビー・フットボール協会」の会長を長年務めていたが、これも15年に辞任。名誉会長も19年4月に辞任していた。

これでようやく元首相の政治力を利用し、スポーツ界で利権も絡めて権力を振るう団体がなくなりほっとしたかと思えば、とんでもなかった。

なおも森氏は公益財団法人「日本スポーツ協会」最高顧問、一般財団法人「日本トップリーグ連携機構」名誉会長なども務めているが、なかでも今後も何としても手放したくないと思っているのが、一般財団法人「日本スポーツレガシーコミッション」(事務所はJOCと同じ)の最高顧問のポストだという。

なぜ、これなのかといえば、それは2月15日の衆議院予算委員会で、立憲民主党の斉木武志衆議院議員が約20分に渡り質問したからご存じの読者もいることだろう。

詳細はその動画(下記)をぜひ、ご覧いただきたい。

要するに、JOC関係者、『週刊新潮』(20年2月13日号)など複数のマスコミ報道によれば、今回、東京五輪が開催され、剰余金が出た場合、この日本スポーツレガシーコミッションが公益財団法人に移行し、その剰余金の受け皿(譲渡先)になるのではないかと、そしてそんな疑惑を持たれるぐらいなら、五輪選手のためにも剰余金はコロナ対策費に使うといって疑惑を払拭してはと菅首相に迫ったのだった(菅首相はそんなこといえる立場にないと否定)。

また、この日本スポーツレガシーコミッションは森氏が300万円の拠出金を出して設立されたとも。

斉木議員は、この日本スポーツレガシーコミッションのメンバーの最高顧問に森氏がいるだけでなく、今回の女性蔑視発言で辞任しようとした森氏を止めたとされる組織委の遠藤利明オリ・パラ担当大臣、武藤敏明組織委事務総長など森人脈がいると指摘したが、他にも森氏の後の組織委会長選考メンバーの御手洗冨士夫キャノン会長、同メンバーでJOC会長の山下泰裕氏、河野一郎JOC理事、自民党代議士の河村武夫、馳浩両氏などズラリ。

そんななか、永田町関係者から本紙の元に情報提供があり、その指摘通りの疑惑に加え、剰余金譲渡後に森氏が考えているその使い道などについても言及があった。

Next: 関係者が語った森氏の思惑と剰余金の使い道とは?

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