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ビットコインバブルはコロナとともに消ゆ。イーロン・マスクの先見性に踊らされるな=高島康司

景気刺激策によるインフレ懸念

では、600万円台という途方もない水準に高騰した理由はなんだろうか?

さまざまな要因が考えられるだろうが、そのもっとも大きい理由は、各国の景気刺激策によるインフレ懸念である。

これからアメリカのバイデン政権は、日本の国家予算の2倍の200兆円に上る景気刺激策を発動しつつある。すでにトランプ政権のときに300兆円を越える刺激策を実施しているが、今回のものはこれに続く規模だ。こうした巨額の景気刺激策は、アメリカのみならず日本や欧州などすべての先進国が率先して実施している。

この政策が背景となり、株式相場が急騰しているわけだが、他方では通貨供給量が巨大化しているので、インフレ懸念が深刻になっている。近い将来、通貨価値が大幅に下落するのではないかという懸念だ。

資産を預金で保有すると、確実に目減りする。これはアメリカのみならず各国でささやかれている懸念だ。こうしたインフレ懸念が主な要因となり、資産価値を保全する目的でビットコインが買われているのだ。

パンデミックが終了すると、相場は下落?

しかしこれは、ビットコインの相場が将来下落する懸念も示唆している。

いまワクチン接種の拡大とともに、世界各国では感染者数が減少している。この傾向は今後も続き、パンデミックの終息とともに、各国で経済活動が全面的に再開される時期もやってくるに違いない。すると景気も回復し、これまで実施されてきた景気刺激策も終了することだろう。

それとともに、いまの中央銀行や金融機関による実質的なゼロ金利政策からの脱却も図られ、金利が上昇することだろう。

このような状況になると、かつてのようなインフレ懸念は大幅に緩和される。すると、それとともにビットコインの高騰も落ち着くのではないかという予測が成り立つ。

また、相場の下落を恐れたビットコインの売りが進み、一時的にせよ暴落する懸念も出てくるはずだ。

Next: ビットコイン相場「逆回転」はいつ訪れる?

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