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最高益でも株価低迷「パナソニックHD」は買いか?電機大手で“ひとり負け”、投資家が注視すべき2つのリスク=澤田聖陽

パナソニックHD<6752>は6月24日に大阪市内で株主総会を開いたが、株価が低迷していることで、株主からは厳しい声が相次いだようだ。株価は6月21日終値時点で見ると、この1年間で約2割の下落。日経平均株価がこの1年間に約18%上昇し、電機各社の株価も概ね堅調なのに比べると、かなり厳しい状況になっている。(『 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 』澤田聖陽)

※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2024年6月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:澤田聖陽(さわだ きよはる)
政治経済アナリスト。国際証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、松井証券を経て、ジャフコ、極東証券にて投資業務、投資銀行業務に従事。2013年にSAMURAI証券(旧AIP証券)の代表に就任。投資型クラウドファンディング事業を立ち上げ拡大させる。現在は、澤田コンサルティング事務所の代表として、コンサルティング事業を展開中。YouTubeチャンネルにて時事ニュース解説と株価見通しを発信している。

2024年3月期の純利益は最高益

パナソニックHD(パナHD)の決算状況を2024年3月期の決算状況は以下のとおりとなっている。

売上:84,964億円
営業利益:3,610億円
親会社の所有者に帰属する当期純利益:4,440億円

2024年3月期の純利益ベースでは過去最高益となっているのだが、それなのに株価は低迷している。

2025年3月期の一株利益予想が126.31円、6月24日時点での株価が1,303.5円なので、予想PERで9.82倍、PBRで見ても前期の一株純資産が1,946.62円でPBR0.67倍と株式市場の評価はかなり低い状況だ。

パナソニックホールディングス<6752> 週足(SBI証券提供)

パナソニックホールディングス<6752> 週足(SBI証券提供)

他の電機各社との1年前(2023年6月23日時点)との株価の比較を見ると以下のとおりとなっている。

パナHD:22.2%下落
2023/6/23株価 1,674.5円 → 2024/6/24株価 1,303.5円

ソニーG:0.01%下落
2023/6/23株価 13,040円 → 2024/6/24株価 12,925円

日立:92.5%上昇
2023/6/23株価 8,700円 → 2024/6/24株価 16,750円

三菱電機:26.3%上昇
2023/6/23株価 1,986.5円 → 2024/6/24株価 2,509.5円

富士通:31.4%上昇
2023/6/23株価 1,855円(※分割調整後)→ 2024/6/24株価 2,437.5円

NEC:88.9%上昇
2023/6/23株価 6,777円 → 2024/6/24株価 12,805円

シャープ:24.3%上昇
2023/6/23株価 784.4円 → 2024/6/24株価 975.2円

株価ではパナHDが“ひとり負け”なのが分かる。

なぜ最高益なのに株価が低迷しているのか?

パナHDは最高益なのに、なぜ株価が低迷しているのか?

パナHDの強みであり現状のコアコンピテンスは、旧三洋電機から受け継いでいる電池技術である。電気自動車(EV)の拡大により、電池分野が急速に伸び、経営も同分野に重点的に経営資源を投下してきた。

しかし昨年秋あたりからEVの販売が伸び悩み始めており、それに伴って車載電池の需要も低迷している。

パナHDも昨年10月の中間決算発表時にEV電池を国内で6割減産する方針を示している。

Next: EV販売の低迷は一時的?復調はない?パナHDへの投資はアリかナシか

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