■事業概要
3. 収益構造と主要KPI
ユミルリンク<4372>の収益構造として、コスト面は人件費とデータセンター関連費が大半を占めている一方で、売上面はSaaS型サービス利用料が97%(2025年12月期)を占めるため高利益率のビジネスモデルと言える。全「Cuenote」サービスの解約率は0.57%(同)であり、価格改定の影響でやや上昇したが低水準を維持している。また、NRR(Net Revenue Retention:売上継続率)は100%超(2025年12月期はMail系が101.9%、SMS系が150.2%)で推移しているため、契約数増加(新規契約+継続契約)によってストック収益が積み上がる収益構造となっている。なお四半期別に見ると、期末に向けてストック収益が積み上がるため、下期の構成比が高い特性がある。
「Cuenote」シリーズはリリース以来、様々な業種の大企業や官公庁・地方自治体を中心に採用され、有効契約数は2025年12月期末時点で2,823となった。直近の導入事例として、2024年12月期にはMail系でCCCMKホールディングス(株)、(株)埼玉りそな銀行、(一社)放送サービス高度化推進協会(A-PAB)、(株)毎日新聞社系の(株)毎日企画サービス、メルカリ<4385>など、SMS・Auth系でイワイ物流(株)、(株)Scene Live、愛知県刈谷市役所など、2025年12月期にはMail系で(株)サイエンス、Retty<7356>、SMS・Auth系で木更津市役所、(株)FREEBRAIN、生活協同組合コープおきなわ、龍谷大学などの事例を公開している。また2025年12月にはメール送信APIの「Cuenote SR-S」が、ソニー銀行(株)・富士通<6702>の次世代デジタルバンキングシステム「Fujitsu Core Banking xBank(クロスバンク)」に採用された。
主要KPIとして、2025年12月期の製品・サービス別売上高はMail系が2,395百万円、SMS・Auth系が446百万円、Social系が145百万円、Survey・他が66百万円となった。2022年12月期と2025年12月期を比較すると、主力のMail系の売上高が1,817百万円から2,395百万円へ、ストック売上高が1,771百万円から2,360百万円へ、契約当たりの平均利用額(スポット売上を含まない)が91千円から105千円へ、期末MRR(Monthly Recurring Revenue:月次経常収益)が154百万円から203百万円へそれぞれ増加基調である。契約数増加のほか、価格改定、アップセル・クロスセル戦略なども寄与している。SMS・Auth系は2022年12月期に一過性収益を計上した反動で2023年12月期の売上高が減少したが、この影響を除けば増加基調である。契約当たりの平均利用額は137千円から62千円へ減少したが、これは小規模配信顧客の増加に伴うものであり、売上高は契約数増加に伴い増加基調である。なお2025年12月期の全社ストック売上(SaaS型サービス利用料、保守料等)比率は98.6%である。
市場環境は良好、競合優位性の源である技術力で市場シェア拡大余地あり
4. リスク要因と課題・対策
システム開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のIT・DX投資抑制、市場競合の激化、品質不具合やシステム障害の発生、技術革新への対応遅れ、知的財産権、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係、法的規制などがある。
同社を取り巻く市場動向として、同社によると、セールス/マーケティングの市場規模(2025年度予測)は3,743億円で、このうちメール送信市場は210億円、SMS送信サービス市場は304億円である。今後も消費者との接点がリアルからデジタルへシフトする流れが加速することが予想されており、同社にとって市場環境は良好である。またメール送信市場における同社の市場シェアは上昇基調であり、同社の競合優位性の源である技術力によって、さらなる市場シェア拡大余地も大きいと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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