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シンシア Research Memo(7):2025年12月期は売上高が過去最高を更新(2)

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■シンシア<7782>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) コンタクトレンズ事業
売上高は6,976百万円(前期比14.8%増)、セグメント利益は690百万円(同9.8%増)と大幅な増収、堅調な増益となった。このうち、主力のコンタクトレンズ製品による売上高は6,965百万円であり、セグメント売上高との差額(11百万円)は、後述する薬事申請支援コンサルティング及び選任製造販売業者(DMAH)サービスによるものである。自社ブランドの売上高は同9.1%増の4,262百万円、内訳としてはクリアレンズが同7.3%増、カラーレンズ(サークルレンズを含む)は同17.3%増と大幅な伸びをみせた。背景には、2025年2月に「シンシア 1DAY S 乱視用」がラインナップに加わったほか、販促も強化した第三世代シリコーンハイドロゲル素材の「シンシア S」シリーズの貢献がある。同シリーズの売上高に関し、クリアレンズ「シンシア 1DAY S」シリーズは1,558百万円(同11.6%増)とクリアレンズ自社ブランド3,432百万円(同7.3%増)の45.4%を占めた。同シリーズのカラーレンズに関しても、「シンシア 1DAY S Cleche」は466百万円(同38.5%増)、「シンシア 2WEEK S Cleche」は254百万円(同6.9%増)とそれぞれ大きく伸長した結果、自社ブランドに占める「シンシア S」シリーズの割合は前期の61.6%から63.1%と着実に増加した。その背景には、同製品の流通経路である処方施設での眼科医の推奨があり、取扱店舗数は2023年12月期の2,410店から2025年12月期には約1.2倍の2,872店と増加したことも寄与している。サークルレンズ「シンシア S Cleche」も処方施設チャネルで展開することから、眼科医の推奨が高品質の裏付けとなり収益が伸長しているようだ。現時点で同チャネルに第三世代シリコーンハイドロゲル素材のカラーレンズ商品の競合は限られており、ロイヤリティ獲得から早期の顧客基盤確立を図る。また、カラーレンズ需要層の若年化が始まっており、目の健康被害回避の観点から、親同伴でカラーレンズを購入するケースも増えており、同社はその顧客層をねらい、処方施設ごとの最適なプロモーションを積極化している。なお、第三世代シリコーンハイドロゲル素材を使用したEC向けクリアレンズ「pranair 1DAY」についても、2025年12月期は前期比およそ50%増を達成した。

2025年3月に譲り受けたカラーコンタクトレンズ販売事業では、ECサイト「Mew コンタクト」を展開し、同社製品のみならず、仕入れ販売により他社ブランドも網羅して多数扱うため顧客基盤は大きく、この「Mew コンタクト」の業績寄与が大きかった。同サイトで扱う他社製品はプライベートブランドに分類されており、売上実績を見ると、2025年12月期のカラーレンズ売上は、自社ブランド(FAIRY、シンシア S Cleche)が前期比17.3%増の830百万円に、プライベートブランド(OEM製品とMew コンタクトの他社製品等)は同104.5%増の708百万円と同水準まで増加した。なお、カラーコンタクトレンズ販売事業に関し、2025年12月期は上期時点でEC販売手数料の増加などで利益創出に至らなかったものの、通期では単体で黒字化を達成したようだ。

(2) コンサルティング事業
売上高は31百万円(前期比48.3%減)、セグメント利益は13百万円(同55.3%減)と減収減益となった。医療脱毛クリニックのコンサルティング支援において、市場競争環境の激化に伴い請負先の業績が悪化したため、コンサルティング料を見直したことが苦戦の背景にある。なお、同顧客支援として貸付金を提供していたが、前述のとおり減損計上したものの、コンサルティング契約を継続している。現時点で、黒字転換にはもうしばらく時間を要する見通しだが、事業運営の再建自体は進行しており安定化の様相を呈していることから、市場動向も照らしあわせつつ支援する方針である。

(3) システム事業
売上高は448百万円(前期比10.8%増)、セグメント利益は90百万円(同57.3%増)となった。2023年11月のタロスシステムズの連結子会社化以来、特に営業力を強化してマーケティングの側面から体制を整えている。契約ごとに引き合いや見積もり、システム導入のデモンストレーション、契約クロージングまでの一連を管理し、フィードバックするスキームを構築した。API連携については、2024年3月のメルカリ<4385>のECプラットフォーム「メルカリShops」、2025年2月には楽天グループ<4755>のECサイト「楽天ラクマ」に続き、2026年3月にはDMMの出店型ECサービス「DMM Shops」と連携を開始した。これによりユーザーはECを介して全国規模の販売ルートが構築される。既存ユーザーに対してはサービス機能の充実が離脱防止に寄与し、見込み顧客に対しては容易に全国につながれる利便性がルアーとなり、顧客基盤の安定と拡大、ひいては収益向上に貢献している。引き続き、相乗効果の見込まれるECと積極的にAPI連携する方針だ。

3. 財務状況と経営指標
財務状況は、商品が前期末比110百万円増加するなど流動資産が同38百万円増加したものの、デリバティブ債権が同113百万円減少するなどの要因で固定資産が同151百万円減少したため、資産合計は同112百万円の減少となった。負債合計は長期借入金が同217百万円、買掛金が同141百万円それぞれ減少したことで同234百万円減少した。一方、純資産は親会社株主に帰属する当期純利益264百万円が加わり同121百万円増加したため、自己資本比率は52.4%と前期末を3.3ポイント上回った。

キャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益449百万円、のれん償却額を含む償却費95百万円や貸倒引当金の増加額65百万円の計上などがあった一方で、仕入債務が142百万円減少したため、法人税等の支払額が176百万円あったものの、営業活動によるキャッシュ・フローは366百万円の収入となった。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、事業譲受による支出160百万円や貸付けによる支出65百万円があったため、250百万円の支出となった。また、長期借入金の返済217百万円、配当金の支払額121百万円で財務活動によるキャッシュ・フローは338百万円の支出となり、現金及び現金同等物は前期末比229百万円減少し1,658百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)
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