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ヴィス Research Memo(4):「ブランド」×「チェンジマネジメント」のワンストップ(2)

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■事業概要

3. 特長と強み
(1) 同社のビジョン・思想
ヴィス<5071>の強みの本質は、「物作りとしてのワークプレイスデザイン(ハード)」に「エクスペリエンスデザイン(運用支援・ソフト)」を組み合わせた提供モデルにある。単なるオフィスデザインの提供にとどまらず、ワークデザインサーベイを通じた社員満足度や現状をスコアリングし、チェンジマネジメントを活用した行動変容の促進までを含むコンサルティングソリューションを展開している点が特徴である。オフィスを通じた「体験」によって「思考」が変わり、「思考」の変化が「行動」の変化につながるという連鎖を前提に、オフィス投資のROIを測定・可視化するアプローチを顧客に提案している。また、オフィス投資を5〜10年の長期投資と捉え、その価値を共有できる顧客との取り引きを重視している。

(2) 案件対応力
同社が実施したアンケート調査では、顧客が同社を選定する理由として「デザイン」「提案力」に加え「担当者の人柄」が上位に挙げられている。「デザイン」面では、従業員301名のうち78名のデザイナーが在籍し、日経ニューオフィス賞を32件、日本空間デザイン賞を8件受賞するなど、合計40件の実績を持つ。積極的に公募へ応募している点も特徴である。「提案力」については、建築士や建築施工管理技士などの専門有資格者がのべ74名在籍(2026年3月末)しており、高付加価値提案と施工品質の両立を実現している。また「担当者の人柄」は、コンサルティングを通じて顧客課題の解決に寄り添う姿勢が評価されたものであり、同社のパーパスや思想の反映と位置付けられる。こうした取り組みにより、社会信用度が向上し、ブランド価値を醸成している。その結果、指名受注の増加や顧客の予算配分拡大につながっている。

(3) ワンストップ提供体制
コンサルティングから設計施工、グラフィック・Webまで対応領域が幅広く、競合との最大の差別化要因となっている。顧客との信頼関係の構築及び、コスト・リスク・品質コントロールをワンストップで実現している。さらに、ICT・ネットワーク領域においても、同領域の大手企業にもコンペで勝てるレベルまでエンジニアリングが成長しており、対応領域が拡大し続けている。

(4) 顧客基盤
同社の顧客構成は、2026年3月期で新規顧客が47.3%、既存顧客が52.7%とおおむね半々となっている。継続的に新規企業を獲得していることに加え、既存顧客からも高いリピート受注を確保している点が強みである。これは同社が提供する付加価値が評価されている証左であり、フロービジネスでありながら、実質的にストック型収益に近い構造を形成している。背景には、採用力強化を目的に魅力的なワークプレイスを求めるスタートアップやIPO企業の顧客が多いことがある。これらの企業では、事業拡大に伴うオフィス移転や新拠点立ち上げが数年単位で発生し、継続受注につながっている。加えて、足元では大企業との取り引きも増加しており、特定部署での実績を起点に他部門や拠点へと展開されるケースも見られるなど、既存顧客比率は上昇傾向にある。

IPO企業との取引実績も特筆される。2019年から2025年に新規上場した企業619社のうち、151社(約25%)が同社の顧客となっている。はてな<3930>のオフィス移転を手掛けたことを契機に、「スタートアップ・情報通信業に強い企業」としてのブランドが形成されたことが背景にある。現在はABM(Account Based Marketing)ツールを活用し、既存顧客の属性をもとに類似する成長企業を特定することで、効率的な営業活動を展開している。また、ベンチャーキャピタルや主幹事証券会社、不動産仲介会社との連携を通じて顧客獲得を進めている。特に成長企業や大企業においては、「ワークデザイン」を採用競争力の強化手段としているほか、不況や事業悪化局面において、企業が縮小移転を行う際に人材流出を防ぐ目的でオフィス環境の質を高める需要が存在する。このため、同社の事業は景気変動に対して一定の耐性を有している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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