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クイック Research Memo(3):人材サービス事業を中核とした5つの事業を展開

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■クイック<4318>の事業概要

1. 事業セグメントの構成
人材サービス事業は、MR、看護、建設、自動車等、専門職・特定領域に特化した人材紹介が中心であり、2026年3月期の売上高23,478百万円(構成比69.2%)と最大の柱である。その他4つの事業の同期の売上高については、Indeed、求人ボックス等のアグリゲーション型求人メディアの代理販売を中心に行うリクルーティング事業が3,708百万円(構成比10.9%)、地域情報誌の出版やコンサルティングサービスを展開する地域情報サービス事業が3,054百万円(構成比9.0%)、「日本の人事部」を運営するHRプラットフォーム事業が1,127百万円(構成比3.3%)、そして現地日系企業を中心にグローバルな人材サービスを提供する海外事業が2,557百万円(構成比7.5%)となっている。

事業成長エンジンは、人材紹介の領域特化・横展開戦略

2. 事業セグメント別概要
(1) 人材サービス事業
人材サービス事業は、「人材紹介」と「人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等」の2分野からなる。

同社の主力である人材紹介は、クイック独自の一気通貫制をとっている。その特徴の1つは、業界・専門職専任のコンサルタントが、求人企業と求職者の双方を担当することにある。これは、多くの同業他社がコンサルタントを「求人企業担当」と「求職者担当」を分ける分業型のオペレーショナルマネジメントを採用していることとは対照的だ。これによって特定の業界、職種事情を熟知したコンサルタントが双方のニーズを深く理解し、適切に情報提供を行うことができる。

そしてクイック独自の一気通貫制のもう1つの特徴が、同じ領域のコンサルタント同士が協力(コラボレーション)しながら、より質の高いマッチングを組織として実現していることにある。そのコラボレーション率は毎期売上の80%前後になるという。この高いコラボレーション率は同社の企業文化が「きれいで、いい仕事をする」ことを重視している結果である。

この体制が仕事のやりがいを担保しつつ、組織としての成果を高める要因となっており、オープンワーク社の「働きがいのある企業ランキング2026年」で15位(対象19,681社、前年20位)といった外部評価にもつながっていると考えられる。同社の体制はコンサルタントの育成に一定の時間が必要だが、コンサルタントの力量が一定水準を超えれば高品質の採用支援が実施できる仕組みが構築されており、業界標準である分業制をとる競合に対して大きな競争優位となっている。

加えて、同社は特定の業種・職種に特化した専門特化型のサービス展開を行っている点も大きな強みである。建設、IT、看護師、MR等、景気の変動による影響を受けにくく、かつ有効求人倍率の高い分野に注力している。厚生労働省が毎月公表する「職業別労働市場関係指標(実数)」によると、2026年3月の「職業別有効求人倍率(パートタイムを含む常用)」は、「建設業界人材」が5.65倍、「情報処理・通信技術者」が1.39倍、「看護師含む医療人材」が2.12倍と全職業平均の1.10倍を上回っている。

また、東京都のハローワークの情報によると、都内の情報処理・通信技術者の有効求人倍率は2026年3月時点で約3.0倍と高水準にある。これらのデータから、同社が取り組む専門職・特定領域における旺盛な人材採用ニーズがうかがわれる。

同社は、まず製薬業界の領域において専門特化型の組織を確立し、看護、化粧品、建設、電気・機械、自動車と着実に横展開を実行してきた。それぞれの領域で専門性を深めシェアを獲得しつつ、2022年にはIT人材、2023年にはハイキャリア、2024年には管理系職種への取り組みも開始している。

2010年3月期から2026年3月期の16年間で、同社の売上高は6,277百万円から33,924百万円と5.4倍(CAGR11.6%)の成長を遂げているが、人材サービス事業の売上高は2,643百万円から23,478百万円と8.9倍(CAGR14.6%)となっており、人材サービス事業が同社の成長をけん引してきたことがわかる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)
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