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天昇電 Research Memo(1):長い歴史を持つ合成樹脂成形品メーカー。自動車向け中心から他分野への展開を図る

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■要約

天昇電気工業<6776>は、1936年(昭和11年)に創業した歴史のある合成樹脂(プラスチック)成形品メーカーである。長い歴史のなかで培われた技術力は高く、顧客との信頼関係も厚い。製品の向け先は幅広い業種に及んでいるが、近年は自動車向けの比率が約60%と高い。今後は、内需向けの製品を拡充し自動車向けの比率を徐々に下げる方針だ。北米での事業については引き続き注力していくが、米国子会社の第三者割当増資(2025年1月)により同社の持分が55.91%から41.40%へ低下したことで連結対象から外れ、2026年3月期からは持分法適用関連会社※となった。

※ 同社の米国子会社が2025年1月に第三者割当増資を行ったことから、同社の持分が55.91%から41.40%へ低下し、同子会社は連結子会社から持分法適用関連会社となった。これにより同社の2025年3月期決算では、貸借対照表ではこの変更が反映されており、損益計算書では事業上の影響はないものの、貸借対照表の変更に伴い持分変動利益602百万円を特別利益として計上した。ただし、これは資金の移動を伴う利益ではない。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高21,877百万円(前期比21.5%減)、営業利益723百万円(同20.9%減)、経常利益1,011百万円(同6.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益504百万円(同60.1%減)となった。米国子会社が連結子会社から持分法適用関連会社になったことで、売上高、営業利益は前期比で大幅減となったが、持分法による投資利益(114百万円)を計上したことにより経常利益の減益幅は小さくなった。ただし特別損益では、前期に持分変動利益(610百万円)を計上したのに対して当期では持分変動損失(258百万円)を計上したことから当期純利益は大幅減益となった。しかしこれらはいずれも貸借対照表上での計算であり、現金の流出入はない。実質的には、国内事業は増益となっており好調な決算だったと言える。財務体質の改善も進んでおり、自己資本比率は50%超となった。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高22,000百万円(前期比0.6%増)、営業利益850百万円(同17.1%増)、経常利益900百万円(同11.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円(同18.9%増)と予想している。中東情勢など不透明感はあるが、自動車関連では主要顧客からの受注は底堅く推移すると予想している。同社は例年、控え目な予想をする傾向があるので、主要顧客の生産状況によっては上方修正の可能性もあると弊社では見ている。

3. 中長期の成長戦略
現在は売上高の約60%が自動車向けとなっているが、今後は雨水貯留浸透槽などの内需型製品の売上高を伸ばすなどして自動車向け比率を35%程度とすることで成長を図る。地域別では、米国での事業をさらに拡大することを目指しているが、今後は持分法適用関連会社として収益に反映される。非自動車分野の強化は容易ではないが徐々に進んでおり、これが達成できれば、同社の体質は大きく変わるだろう。ここ数年で財務体質も改善されてきていることから定量的な数値とともに同社の事業体質がどう変わっていくのか、今後に注目したい。

■Key Points
・プラスチック成形品の老舗メーカー。技術力が高く顧客からの信頼は厚い
・2026年3月期は連結子会社除外の影響で営業減益だが、実態は堅調
・今後は内需型製品の拡大で収益基盤の安定化を図る

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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