2026年8月26日に発表された、株式会社鈴木2026年6月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
成長の軌跡
鈴木教義氏:株式会社鈴木代表取締役社長の鈴木です。これより、2026年6月期決算についてご説明します。
当社はこれまで、金型を基盤とし、精密プレス部品および成形部品を事業の柱として、着実に売上高を伸ばしてきました。
さらに、従来の民生コネクタ部品に加え、自動車関連部品の獲得に力を入れるとともに、自動機器事業や医療組立事業を拡大し、安定した事業基盤を構築してきました。その結果、当期の業績においても、過去最高益を更新することができました。
連結損益計算書

それでは、2026年6月期の経営成績についてご説明します。
売上高は404億4,500万円となり、前期比21.4パーセントの増収となりました。主な要因は、電子部品セグメントのスマートフォン関連部品や半導体関連部品の受注が伸びたことによるものです。
売上の拡大に伴い、営業利益は55億5,900万円となり、前期比29.5パーセントの増益となりました。経常利益は58億2,800万円となり、前期比38.5パーセントの増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は37億4,900万円となり、前期比35.8パーセントの増益となりました。
連結損益計算書(前期比/営業利益増減)

次に、営業利益が12億6,700万円増加した要因についてご説明します。
売上高は前期より71億2,300万円増加しました。一方で、売上増加に伴い、主に原材料仕入やその他仕入などの売上原価が54億9,100万円増加し、販管費は3億6,500万円増加しました。
連結事業別セグメント情報(前期比)

続いて、セグメント別の売上高、利益の概況についてご説明します。詳細は、次ページもあわせてご参照ください。
連結事業別セグメント情報(売上高構成および時系列推移)

金型セグメントは、電子機器向け、自動車電装向けともに順調に推移し、売上高は前期比18.4パーセント増加の14億8,200万円となりました。セグメント利益は、前期比33.6パーセント増加の3億4,000万円となりました。
部品セグメントの電子部品コネクタでは、スマートフォン向け、半導体向けの需要が増加し、産機向けも回復してきました。電子部品コネクタの売上高は前期比26パーセント増加の260億8,100万円となりました。利益は前期比27.7パーセント増加の51億1,700万円となりました。
自動車電装部品コネクタは安定して推移し、売上高は前期比18.3パーセント増加の58億2,500万円となりました。利益は前期比13パーセント増加の7億8,500万円となりました。
機械器具セグメントは、自動車電装関連、医療組立ともに順調に推移し、売上高は前期比9.5パーセント増加の70億5,000万円となりました。利益は前期比17.9パーセント増加の8億7,400万円となりました。
全体的に大きなウェイトを占める部品セグメントのスマートフォン向けおよび自動車電装部品が好調を維持しました。また、半導体向けの需要が増加したことも、売上・利益の増加に貢献しました。
連結貸借対照表

続いて、財務状況についてご説明します。
前期末と比べて、流動資産は45億400万円増加、固定資産は37億2,200万円増加し、資産合計は82億2,500万円増加の479億9,800万円となりました。
また、流動負債は24億4,800万円増加し、固定負債は5億1,300万円増加しました。自己資本比率は66.4パーセントとなり、引き続き健全な財務状況を維持しています。
連結キャッシュフロー計算書

続いて、キャッシュフローについてご説明します。
営業活動によるキャッシュフローは69億900万円の収入、投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得と定期預金の預入などにより34億4,400万円の支出、財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いおよび長期借入金の返済などにより26億2,300万円の支出となりました。
現金および現金同等物の期末残高は、期首残高より9億4,400万円増加の71億100万円となりました。
モノ作りNo.1を目指して:電子部品コネクタ

次に、セグメント別の事業状況についてご説明します。
部品セグメントの電子部品コネクタについてです。このグラフは、新会計基準適用後の連結ベースで、部品用途別の売上構成比率を示しています。
自動車向けは安定的に推移し、前期比22.5パーセントの増加、構成比は46.2パーセントとなりました。スマートフォンなどの多機能端末向けは好調を維持し、前期比12.8パーセント増加、構成比は31.2パーセントとなりました。
FA機器向けは、産機や半導体関連が本格的に回復しており、前期比96.6パーセント増加、構成比は13.4パーセントとなりました。
モノ作りNo.1を目指して:自動車電装部品コネクタ

次に、部品セグメントの自動車電装部品コネクタについてです。当期は安定的に推移し、売上高は前期比18.3パーセント増加の58億2,500万円となりました。
これは、金型技術、量産ノウハウ、自動化技術で当社に優位性があることから、住友電装様が当社を端子製造のマザー工場として重要視されている表れであると考えています。今後も、新技術開発、高難易度品の立ち上げなどで事業を拡大していきます。
モノ作りNo.1を目指して:機械器具(自動機器)

次に、機械器具セグメントの自動機器についてです。これまでの売上高の推移と売上構成比率を示しています。
売上高は前期比12.6パーセント増加の41億5,100万円となりました。当期は、主要顧客である住友電装様向けのワイヤーハーネス設備の需要に加え、医療関連向け需要も増加しました。
モノ作りNo.1を目指して:機械器具(医療組立)

次に、機械器具セグメントの医療組立についてです。これまでの売上高の推移を示しています。
アイテム2の生産が増加し、売上高は前期比5.2パーセント増加の28億9,900万円となりました。
通期連結業績見通し

次に、2027年6月期の業績予想についてご説明します。まず、2027年6月期通期のセグメント別売上高についてご説明します。
金型セグメントでは、自動車向け外販型およびスマホ生産向け社内試作型の増加を見込み、前期比28.7パーセント増を見込んでいます。
部品セグメントの電子部品コネクタについては、スマートフォン関連の需要が好調であり、半導体関連の需要の増加が見込まれることから、前期比5.9パーセント増加の276億2,000万円を計画しています。
自動車電装部品コネクタについては、おおむね前期並みの水準を見込んでおり、売上高54億7,900万円を計画しています。
機械器具セグメントについては、各種自動機器の需要の増加を見込みます。また、医療器具は前期同様に堅調に推移する見込みです。
連結全体の売上高は、前期比6.7パーセント増加の431億5,000万円を計画しています。連結営業利益は、前期比8.5パーセント増加の60億3,000万円、経常利益は前期比4.2パーセント増加の60億7,000万円を計画しています。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比6.2パーセント増加の39億8,000万円を計画しています。
設備投資額・減価償却費・研究開発費

次に、2027年6月期の設備投資についてご説明します。設備投資は総額66億8,300万円を予定しています。
主な設備投資内容として、設備更新では、プレス機8台の更新、成型機1台の更新、その他研削盤などの金型製造設備を計画しています。また、増設・能力向上投資として、増産用のプレス機4台およびその周辺設備を導入します。
合理化投資としては、自動巻取機や自動搬送機などの導入を計画しています。また、新規事業である高精度光通信用部品の量産に向けた投資や、情報セキュリティ対策およびシステム更新への投資も計画しており、サプライチェーンリスクの低減にも取り組んでいます。
減価償却費は32億5,600万円を計画しています。2027年6月期に計画している新規事業や情報関連の投資については、稼働目標が2027年6月期の期末やその翌期の予定であるため、減価償却費の計上が少額となっています。
研究開発費については、新規事業である金属粉末射出成形などの研究開発費を計上しています。
配当・配当性向

続いて、2027年6月期の配当予想についてご説明します。
当社は、株主のみなさまへの利益還元を経営上の重要課題の1つと位置づけ、業績および財務状況、今後の事業展開などを総合的に勘案した上で、安定的な配当の継続を基本方針とした株主還元方針を明示しています。
その上で、今後当社の企業価値を高めていくためには株主還元の重要度が増していることを踏まえ、2027年6月期の1株当たり配当予想を、中間56円、期末56円の年間112円と予定しています。その場合の配当性向は40.4パーセント、DOEは5.3パーセントを想定しています。
中期経営目標は26年6月期に達成。第2次中期経営目標(2028年6月期~)で更なる成長を目指す

次に、中期経営計画についてご説明します。
中期経営計画では、2027年6月期にグループ全体の売上高400億円、営業利益50億円を目標としていましたが、この目標については、2026年6月期に前倒しで達成することができました。また、ROEや株主還元についても目標を達成しています。
2027年6月期は単年度計画として増収増益を目指し、新たな第2次中期経営計画は2027年6月期中間決算時を目途に発表する予定です。
成長分野である車載部品ビジネスと、新規事業分野の確立に向けた取り組みについては、営業本部長の中島よりご説明します。
成長分野 有力となる事業の拡大

中島慶昭氏:営業本部長の中島です。成長領域として捉えている車載部品ビジネスの見通しについてご説明します。
部品セグメントの新たな事業展開として、2019年から量産を開始したA社のリチウムイオン電池向け部品を足掛かりに、電池用部品の拡大や新規案件の獲得により成長してきました。
当期においては、主に電池向け部品が好調に推移し、前期と比べ15.3パーセント増加となる36億600万円の売上となりました。
当事業は、ハイブリッド車の好調な販売を背景に、大きな成長を遂げてきました。今後は、生産数量の増加や新規アイテムの獲得により、さらなる成長を目指していきます。
技術開発分野 新規事業の創出

次に、技術開発、新規事業についてご説明します。
1つ目は、金型技術の進化・深掘りです。新規事業として、高精度光通信用部品の量産体制構築に着手しました。詳しくは次のページでご説明します。
続いて、環境省採択の革新的食品鮮度維持技術である「ナノスーツ」を活用した設備開発です。ナノスーツ液を生鮮食品に塗布するためのプラズマ技術を開発しています。
次に、新たなめっき技術であるIMCめっきです。有限会社ナプラが保有するIMC技術を活かした新たなめっき技術を活用し、部品の量産化を目指しています。
最後に、金属粉末射出成形技術についてです。本技術はすでに量産化されている技術ですが、当社の金型技術、装置技術を融合することで、既存品よりも高精度かつ合理化の進んだ生産方法を目指しています。それぞれの技術開発の状況について、次ページ以降でご説明します。
新規事業の創出(高精度光通信用部品の量産体制構築)

まず、高精度光通信用部品の量産体制構築についてご説明します。
世界AIインフラ投資市場は2027年に1,700億ドル、2024年比プラス79パーセント、世界半導体市場は2027年に1兆9,137億ドル、2024年比プラス204パーセントに達すると推定されています。
今後、データセンター増設による高速通信需要の増加、AIサーバの増設による半導体需要の増加が見込まれます。このような市場の成長を背景に、当社は、高精度光通信用部品の量産体制構築に着手しました。また、半導体向け既存製品の生産を強化します。
高精度光通信用部品については、2027年春頃から量産開始予定で、本件に関する当面の設備投資額は約11億円を予定しています。
また、半導体関連の既存製品である、部品セグメントの半導体テストソケット用部品および機械器具セグメントの半導体製造用自動機器の生産を強化します。
半導体テストソケット用部品は、2027年に2024年の売上比プラス250パーセント、半導体製造用自動機器はプラス600パーセントの成長を見込みます。
新規事業の創出(プラズマ技術の開発)

続いて、「ナノスーツ」についてご説明します。
環境省採択事業として進めている「ナノスーツ」は食品鮮度保持技術であり、食品輸送時のCO2排出量削減や食品の廃棄ロスの削減が期待されています。当社は、ナノスーツ液を生鮮食品へ塗布するためのプラズマ技術の設備を開発しています。
実証試験機は完成しており、2027年6月期に複数の実証試験を実施予定です。その結果から、量産機の設計、製作のステップに進む計画です。
新規事業の創出(新たなめっき技術・金属粉末射出成形(MIM)技術)

続いて、新たなめっき技術の開発です。IMC技術を活用しためっきは、従来の電解めっきよりも耐熱性・耐久性・耐腐食性に優れています。
現在、複数のお客さまにサンプル評価を進めていただいています。また、量産対応の設備導入は完了しました。希少金属を用いた既存めっき品の置き換えや新規市場への参入を目指し、事業化を推進していきます。
最後に、金属粉末射出成形技術です。金属粉末と樹脂を混合した材料を射出成形し、焼結することで金属部品を製造する技術であり、従来加工では難しい微細かつ複雑な3D形状を高精度で実現できます。
2027年春頃に生産設備を導入し、試作を開始します。それにより量産ノウハウを蓄積し、将来的に本格的な量産体制の確立を目指します。
以上、これらの技術開発を通じて、通信分野や車載向け、農業関連、医療向けなどで新たな事業の創出を目指していきます。
Being an “Only-One Company”

2027年6月期は、ご説明した新規事業の展開を進めるとともに、2027年6月期中間決算時に発表を予定している次期中期経営計画に、これら新規事業の成果や成長戦略を反映できるよう準備を進めていきます。
今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。
