現実の利用と投資が同時に進んでいる
現在のAIを巡る熱狂を見て、かつてのドットコム・バブルを振り返ると、間違いなく批判が来る。今回のAIブームを「ドットコム・バブルと同一視するのは早計」という意見も根強い。
今のAI関連銘柄の上昇を「バブル」と呼ぶことさえ許さない投資家もいる。「実需があってバブルではない。それをバブルと呼ぶのはおかしい」という理屈だ。
たしかに当時のドットコム企業の多くは、事業の中身が伴わないまま看板だけを掲げて上場していた。pets.comのような企業は売上もろくになく、ただ「ドットコム」というだけで投資家が群がった。
現在の赤字覚悟でデータセンターに巨費を投じているハイパースケーラーと、かつての借金を返済する体力を持たない新興のドットコム企業とでは、話がまったく違う。現在のハイパースケーラーは、すでに世界最強の時価総額を持つ超優良企業で、巨大な実需を抱えている。
個々の企業もAIを導入して業務を効率化している。その効果は数字としても確認できる。ドットコム時代のように将来の夢だけで株価が押し上げられているわけではなく、現実の利用と投資が同時に進んでいる。
今、マイクロソフトやグーグル、アマゾンといった企業はキャッシュを燃やし続けているのだが、その環境はドットコム時代とは完全に別物だ。この違いをもって「今回は違う」と主張する声があるのも当然だ。
だが、一方で「その設備投資は果たしてペイできるのか?」という疑念を持つ投資家もまた存在する。「AIは今までとは違う」とは言われるが、バブルというものは常に「今回は違う」という言葉とともに膨らみ、そして弾けてきた。
1990年の日本株バブルのときも、2000年のドットコム・バブルも、渦中にいた人々はみな「これは今までと違う」と信じていた。むしろ、その確信の強さこそがバブルの正体だったはずだ。
AIがもたらす生産性向上が本物であることは疑いようがない。
だが、それが株価に見合うだけの利益として結実するかどうかは、まったく別の話である。今回の熱狂がドットコムと同じ道をたどるのか、それとも本当に違う道を歩むのか、まだ誰にも分からない。
私はAIの熱狂から距離を置いている
私はAIをよろこんで使っていて、ユーザーとしてその恩恵を享受したいと思っている。だが、AIへの投資は慎重姿勢でいる。私のメインは――
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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