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アイグリッドソリューションズ Research Memo(7):2026年6月期は2ケタ増収増益の好決算

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■業績動向

1. 2026年6月期の業績動向
2026年6月期の業績は、売上高25,699百万円(前期比12.0%増)、営業利益3,581百万円(同14.1%増)、経常利益2,867百万円(同20.0%増)、当期純利益1,940百万円(同21.6%増)と好決算であった。上場時の業績予想に対しても、売上高で235百万円、営業利益で343百万円の超過達成となった。

日本経済は、雇用・所得環境の改善に加え、インバウンド需要の回復などを背景に緩やかな回復基調が続いた。一方で、ウクライナ及び中東における情勢悪化の長期化や、資材・エネルギー価格の高騰を含む世界的な物価上昇・金利変動、関税をはじめとする米国政策動向の不確実性などにより、国内景気の先行きは依然として不透明な状態が続いている。アイ・グリッド・ソリューションズ<603A>の事業環境としては、第7次エネルギー基本計画が閣議決定され、2040年度の総発電電力量に占める再エネ比率を40~50%程度まで高める目標が設定されるなど、改めて再エネや脱炭素社会の動向に注目が集まっている。気候変動など環境問題への対応は、上場企業全体やそのサプライチェーンに関わる非上場の中堅・中小企業にも最重要課題として広がり、電力業界ではGX推進が加速するなど、業界は引き続き変化の最中にある。なお、JEPXの価格は中東情勢の影響を受けて第4四半期に上昇傾向となったが、通期の平均価格は12.25円/kWh(前期は12.26円/kWh)と前期と同水準であった。

このような環境下、同社は引き続きGXソリューション事業の成長を推進するとともに、タクシー車内広告やブランドプロモーションなどで知名度向上にも取り組んだ。PPAサービス、アライアンスソリューション、インテグレーションサービスはいずれも順調に拡大した。エナジートレーディング事業では、細やかな需給管理やGXソリューション事業から調達した安定価格の余剰電力などが利益創出にも貢献した。KPI(重要経営指標)も、オンサイトPPAの累計開発容量が387MW(前期比29.0%増)、累計開発件数が1,497件(同22.4%増)と伸長し、なかでもアライアンスソリューションの伸びが顕著であった。この結果、売上高と営業利益はともに2ケタの増加となった。

なお、フロー収益が主であるアライアンスソリューションやインテグレーションサービスの計上タイミングは工期進捗によっても左右されることがある(夏場は安全配慮の観点から屋根上の工事がしにくい、冬場は雪に工事が妨げられるなどの要因がある一方で、同社の第4四半期である4-6月は工事に適した時期であることが影響していると考えられる)。また、ストック収益が主であるPPAサービスやエナジートレーディング事業は季節性による日照や気温の影響を受ける。これらのことから、同社の業績は四半期ごとには一定のばらつきがあるものの、通期ではフロー収益とストック収益のバランスも含め、ばらつきは収れんする傾向にあると考えられる。同社がこれらの四半期ごとのばらつきを考慮した結果、上場時の業績予想としては保守的であった可能性がある。

GXソリューション事業が成長をけん引
2. セグメント別の状況
セグメント別の状況は、GXソリューション事業がセグメント売上高13,713百万円(前期比53.7%増)、セグメント利益2,843百万円(同51.0%増)、エナジートレーディング事業がセグメント売上高12,232百万円(同14.0%減)、セグメント利益2,024百万円(同11.6%減)となった。エナジートレーディング事業では積極的な営業活動を行っていない低圧の販売量減の影響もあり減収減益となったが、全般的には好調であったといえる。

GXソリューション事業では、PPAサービスとアライアンスソリューションで新たに87MWが稼働し、インテグレーションサービスで23施設が新規稼働するなど順調に推移した。PPAサービスは、自社アセットのPPAが着実に成長し、PPA及びその他の売上高は4,140百万円(前期比8.7%増)となった。売上総利益率は低下したが、これはコア以外の事業を整理したことが要因で、2027年6月期からは安定化する見込みである。アライアンスソリューションは、東急不動産(株)とのアセット譲渡型アライアンスの拡大などが寄与し、売上高が大きく拡大した。また、2026年7月には東急不動産とのアセット譲渡型アライアンス第2弾の合同会社が設立されており、今後の業績への貢献が期待される。売上総利益率は低下したが、これは主にアライアンスソリューションの構成変化(開発受託型スキームに比べアセット譲渡型スキームが増加)によるもので、今後は安定化する見込みである。インテグレーションサービスは、普及に向けて補助金活用も可能なステージにある蓄電池が好調で、高水準の利益率となった。蓄電池に対するニーズは徐々に強まっており、蓄電池価格の低下などで補助金がなくとも経済性が確保されるようになれば、導入が今よりも格段に進む可能性は十分にある。

エナジートレーディング事業は、積極的な営業活動を行っていない低圧は販売量減となっており、循環型電力のサービス開始とともに営業活動に注力を開始した高圧(法人向け)が伸び始めたばかりの段階であったため、減収減益となった。ただし、市場価格の変動に対するリスクコントロールに加えて柔軟な対応を行った結果、売上総利益率は改善傾向となった。2027年6月期は、売上総利益は横ばい圏を見込んでいる。

引き続きGXソリューション事業が成長ドライバー
3. 2027年6月期業績予想
2027年6月期の業績予想について同社は、売上高30,966百万円(前期比20.5%増)、営業利益3,844百万円(同7.3%増)、経常利益3,080百万円(同7.4%増)、当期純利益2,140百万円(同10.3%増)を見込んでいる。引き続きGXソリューション事業が成長をけん引し、なかでもアライアンスソリューションが成長ドライバーとなる見込みである。同社は上場時の2027年6月期業績予想を据え置いている。2026年6月期業績が上場時の業績予想を超過達成した分、伸び率が低く、保守的に見えるようになった。

GXソリューション事業では、主要サービスを通じてオンサイトソーラーの稼働を高めることで、引き続き2ケタの増収増益を予想している。一方、エナジートレーディング事業では、GXソリューション事業とのシナジーを生かしつつ、循環型電力が伸長することで、2027年6月期から増収増益へ転換する見込みである。この結果、全体の売上高は2ケタ増を予想している。サービスごとの売上総利益率に大きな変動は見込んでいないものの、相対的に売上総利益率の低いアライアンスソリューションの伸長、エナジートレーディング事業の利益率減(調達電源の原価(燃料など)上昇に対しては、販売価格への反映などにより利益額への影響を抑える一方、売上高の増加に伴って利益率が低下することを見込んでいる。一方増益である)により全社の売上総利益率は低下傾向となり、営業利益の伸びは売上高の伸びを下回る見込みである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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