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我が理想の「ストラテジスト」考。たとえ今日、予想が外れたとしても=馬渕治好

私はいろいろな方から「どういうストラテジストでありたいのですか」と聞かれます。その時には、日本の平成バブルの時の市場動向を例に挙げて答えています。(『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』)

※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』2018年1月28日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。市場急変時には号外の配信もあります。

正しい見通しも最初は非難される。ストラテジストのあるべき姿は

優秀なストラテジストとは

筆者の仕事は、アナリスト(かなり範囲が広い)のなかで、ストラテジスト(投資戦略を立案する人という意味)になります。

よく、いろいろな方から「馬渕さんは、どういうストラテジストでありたいのですか」と聞かれることがあります。その時には、日本の平成バブルの時の市場動向を例に挙げて答えています

1989年末にかけての株価上昇は、明らかにバブルだったのですが、1989年末だけがバブルだったわけではありません。たとえば1988年末時点でも、既に株価は実体と比べてはるかに高すぎたと思います。

したがって、1988年末時点で、「この株価はおかしい、こんな企業収益の実態とかけ離れて高い株価は維持できるはずがない、この後、長期的で大幅な株価下落が生じるだろう」と主張したストラテジストがいたとすれば、現在から振り返って考えれば、極めて能力が高い、優れたストラテジストだと評価できるでしょう。

しかし当時、そんな主張をすれば、1989年の1年間は、「こいつの株価見通しは大外れだ」「何が『大幅な株価下落が生じるだろう』だ、株価はこの1年、暴騰し続けているではないか」と、激しい非難が浴びせられたでしょう。

それでも筆者は、そうして1年間は非難され続けるが、後世においては極めて正しかった、と評価されるようなストラテジストでありたいと思います。

過ぎし花~先週(1/22~1/26)の世界経済・市場を振り返って

<世界市場の主役は米ドル安と円高・欧州通貨高、米株は大幅続伸>

先週、特に大きく動いたのは為替市場で、米ドル安と、円高・欧州通貨高が進みました。イベントとしては、日銀の金融政策決定会合ECB(欧州中央銀行)理事会が開催されましたが、どちらも本来は円高やユーロ高を引き起こすような内容ではありませんでした。しかし、先週の当メールマガジンで述べた通り、為替売買の「ネタ」に使われました。

また、ムニューシン米財務長官の発言が米ドル安を招き、トランプ大統領がそれを打ち消すような発言を行ないました。ただ、米保護主義の流れと米ドル安が関連しているとの見解もあって、米ドルの反転は一時的だったと言えます。

株式市場では、米国株価の上昇が止まっていません。日本と米国とでは、企業決算に対する株価の反応が、本来あるべき姿と逆のように思われます。

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Next: 今週(1/29~2/2)の世界経済・市場の動きについて

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