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ツイッターは「オワコン」ではない。ついに黒字転換、今後の成長余地は?=栫井駿介

Facebookとは大きく水を開けられたTwitterですが、2017年第4四半期は上場来初の最終黒字に転換する見通しとなりました。利用者も増え続けている中、これから利益を伸ばしていくことができるのでしょうか。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

米国外に伸びしろアリ。広告商品の効果はFacebookよりも優秀

上場以来初の四半期最終黒字の見通し

2013年の上場以来営業赤字が継続していたTwitter<TWTR>ですが、2017年の第4四半期に上場来初の最終黒字に転換する見通しを示しました。これを好感し、株価はわずかながら上昇に転じています。

しかし、上場以来続く冴えない業績に投資家はしびれを切らし、長期的には株価は下落傾向が続いています。2012年の上場時からすでに5倍になったFacebookとは対照的です。

出典:Yahoo!ファイナンス

出典:Yahoo!ファイナンス

ユーザー数ではFacebookに劣るが、着実に成長している

ソーシャルメディアの世界では、Facebookが圧倒的な地位を築いています。ユーザー数では次点となるインスタグラムもFacebookが買収し、時価総額は5,400億ドルと世界第5位となっています。一方のTwitterは180億ドルと、大きく水を開けられています。

最も大きな違いは、やはりユーザー数でしょう。Facebookの月間アクティブユーザー数が全世界で20億人なのに対し、Twitterは3億人です。ちなみにFacebook傘下のインスタグラムの月間アクティブユーザーも8億人にのぼります。

しかし、Twitterが完全に廃れたサービスになってしまったかというと、必ずしもそうではありません。ユーザー数は着実伸び続けていますし、米トランプ大統領が積極的につぶやくことでその名前を目にしない日はほとんどありません。日本でも、事故や事件を真っ先に伝えるのはいまやテレビではなくTwitterです。

爆発的にとはいきませんが、ユーザー数はじわじわと伸び続けています。それに伴い、売上高も成長してきました。2012年は3億ドルにすぎませんでしたが、2016年には25億ドルと約8倍に成長しています。利益面では赤字ながら、その幅を縮小させてきました。

出典:Stockclip

出典:Stockclip

Twitterが赤字なのは、先行投資が影響しています。研究開発費やセールス・マーケティング費用はそれぞれ売上高の4割近くにのぼり、それだけで利益がほとんどなくなってしまいます。これらは今の業績を維持するためと言うよりは将来の収益のためなので、赤字=業績低迷と考えるのは早計です。

直近の四半期で黒字化したのは、これらの費用を削減したことが主な要因です。逆に言えば、先行投資を据え置くことで、利益を出すことは難しくない会社なのです。自己資本比率は6割を超える水準で、経営的に苦しい状況ではないのです。

Next: 広告媒体としての認知向上と米国外での収益化が鍵

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