あなたは「働かないで暮らしたい」と思っていないだろうか。その願いは叶わない可能性が高いだけでなく、あなたの精神を蝕む元凶ともなる。なぜか?(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
※本記事は有料メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』2017年10月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
夢と妄想は紙一重。この罠に嵌まったら人生を棒に振ることになる
過酷なストレスに耐えて描くバラ色の未来
あなたは「働かないで暮らしたい」と思っていないだろうか。あるいは「不労所得でも手に入れて、ぶらぶらと暮らしたい」と思ったことはないだろうか。
不労所得というのは「働くことなく入ってくる金」を指しているのだが、多くのサラリーマンにとって「働かずにぶらぶらと暮らす」というのは夢のような世界である。
これだけ労働環境が悪化しながら日本の8割はまだサラリーマンなのだが、サラリーマンというのは凄まじいストレスに晒されているのは誰もが知っている。雇われて働くというのは過酷なことなのである。
独立行政法人『労働政策研究・研修機構』は、「約6割の事業所がメンタルヘルスの問題を抱えた社員がいて、その中の13.3%が休職している状態だった」と報告を出している。
つまり、半分以上が精神的に病みながらも必死になって働き、病んだ人の10人に1人は心が折れて職場に行くことすらもできなくなっているということだ。
だから、多くのサラリーマンはストレスと胃痛と苛立ちを抑えながら「何とかこの地獄から抜け出せないだろうか」「何とか不労所得が手に入らないだろうか」と夢想する。
しかし、サラリーマンの「不労所得で暮らしたい」という願いは、実現しない可能性の方が高い。
「不労所得=絵に描いた餅=妄想」という現実
ところで、不労所得というのはどんなものがあるのだろうか。運で手に入れるものから、努力で手に入れるものまで、いくつもの種類がある。たとえば、このようなものだ。
- 宝くじ
- キャンブルの一攫千金
- FXでのキャピタルゲイン
- 親の遺産
- 玉の輿
- 預金の利息
- 印税・ライセンス・特許権収入
- 不動産投資による家賃収入
- 株式投資による収入
宝くじは売上がここ数年落ちてきていると言われているのだが、それでも8452億円もある。「年末ジャンボ宝くじ」だけでも7000万枚くらいは売れている。
不労所得を手に入れたいと願うサラリーマンの多くが宝くじ売り場に並んで「夢を買っている」のだが、こんなもので簡単に不労所得が手に入るはずもない。
数億円も当たる人は必ずいるのだが、その確率は乗った飛行機が落ちるよりも低い。こんなものに望みを託して「不労所得で暮らしたい」と思っても、それは限りなく見果てぬ夢で終わる。
ギャンブルの一か八かの大勝負で不労所得を手に入れて、悠々自適というのも、宝くじで金持ちになるというのと同じくらい荒唐無稽なものである。
仕事帰りにパチンコ屋に入り浸っても、日曜日に競馬競輪競艇に通っても、それで不労所得を得られるようにはならない。むしろ、有り金を毟られて、よけいに「不労所得で暮らす」夢から遠ざかっていくことになる。
FXでのキャピタルゲインを狙って激しく売買を繰り返す人もいる、しかし、FXの世界でも8割9割の投機家がカモにされて有り金を毟られるのが普通だ。やっていることは、ほとんどギャンブルに近いものである。
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