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健康志向だけではなさそうな「若者のたばこ離れ」本当の要因とは?=三宅雪子

2017年の国内「紙巻きたばこ」販売数が初の1000億本割れとの報道に注目です。JTは健康志向の高まりと電子たばこの普及が要因としていますが、本当でしょうか。(『三宅雪子の「こわいものしらず」』三宅雪子)

※本記事は有料メルマガ『三宅雪子の「こわいものしらず」』2018年1月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:三宅雪子(みやけ ゆきこ)
元衆議院議員。玉川学園女子短大、共立女子大学を卒業。テレビ局勤務を経て、2009年群馬4区で民主党から立候補し、比例復活当選。現在は、執筆やネット配信、福祉や介護のアドバイザーなどをしながら政治活動を行っている。

健康志向? 電子たばこ? JTが目を背ける「たばこ離れ」の真相

若者も中高年も「たばこ離れ」

「たばこ、初の1000億本割れ=17年のJT国内販売」(時事通信)のニュース。ヘビースモーカーの両親の家で育った私は感慨深いです。たばこのない生活って考えられませんでした。常に煙モクモクの中で育ったんですね。おかげで大のたばこ嫌いになってしまいました。

日本たばこ産業(JT)は19日、2017年の国内の紙巻きたばこの販売が前年比12.5%減の929億本だったと発表した。JTによれば、1年間の売り上げが1000億本を下回るのは1985年の民営化後初めて。健康志向の高まりによるたばこ離れに加え、加熱式たばこの普及も影響した。減少傾向が続き、85年当時の3分の1程度となった。

少子高齢化に加え、外資系たばこ会社にシェアを奪われている。民営化直後のJTのシェアは100%近かったが、17年は61.3まで低下した。

出典:たばこ、初の1000億本割れ=17年のJT国内販売 – 時事ドットコム(2018年1月19日配信)

この記事を読みながら、健康志向? 電子たばこ? なんだか違うんではないかなあ、と感じました。経済的に買えない、また無理して買おうとも思わない、特に吸いたいとも思わない。そんな理由ではないのでしょうか。

経済的理由に加え、そもそも吸える場所がない

最近はコンビニでもたばこを買う人は滅多に目にしませんし、特に若者ですが、たばこを買う人も吸う人も外出しても目にすることはほとんどありません。現在、たばこの価格はスターバックスのドリンクの価格と同じぐらいか少し高いぐらいでしょうか? 大学生への仕送りが大幅に減ったことはすでに報じられていますよね。学生の生活費が1日1000円以下と言われている昨今です。

よほど経済的余裕があるか、好きではないと高い嗜好品には手が出せませんよね。もちろん中高年の中でも愛煙家で健康のために量を減らしたり、やめた方もいるんでしょうね。経済的理由も若者と同じく多いでしょう。しかし、そもそも喫煙できるスペースがどんどん限られています。マンションでベランダでの喫煙禁止も増えてきました。

つまり、いわゆる「ホタル族」がいなくなったということです。この話を聞いたときはさすがに厳しいのでは?と思い、理由を尋ねたところ「隣の部屋に煙が入っていく」ことが問題とのことでした(禁煙家ですが愛煙家に甘い私は目が点)。つまり、乳幼児や妊婦がいたら、家の中で自己責任で吸うか我慢しろということですね。

こうしたマンション理事会の決定にもさしたるクレームもないらしいので、たばこを吸う人はもう少ないのかもしれませんね。ちなみに永田町の喫煙率は非常に高いんです。だから、たばこ議連なるものが力があるんですね。この話はまた続報を別号に書きます。

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