fbpx

アイグリッドソリューションズ Research Memo(5):成長余地の大きいオンサイトソーラー

マネーボイス 必読の記事



■成長戦略

1. 経営環境
脱炭素化に向けた取り組みの強化は国際的な潮流であり、再エネ、なかでも太陽光発電は今後3年間で毎年約600TWhずつ増加すると見込まれている。日本においても2050年カーボンニュートラルの実現に向け、官民を挙げて脱炭素化に向けた取り組みが進められており、脱炭素化の関連領域市場は成長が見込まれている。企業や自治体などが発電事業者から再エネを長期にわたって購入するコーポレートPPAのなかでは、メガソーラーが環境面と経済性で厳しい状況になるなか、オンサイトソーラーは今後も大きく伸び続けると考えられている。こうしたトレンドのなか、アイ・グリッド・ソリューションズ<603A>はPPA型オンサイトソーラーの先駆者として、環境負荷を伴わない脱炭素化、多数分散した再エネ電源を集約することによる価値創造、再エネの地産地消と再エネ自給率の向上にフォーカスし、いち早く事業を展開してきた。この結果、創業以来構築された小売企業との良好な関係に加えて、余剰電力循環スキームと相性の良い物流企業との取引も急速に拡大しており、足元では顧客基盤の拡大が顧客をさらに増やすという好循環にある。現在、運営施設の開発実績数1,497に対して、同社がターゲットとする施設数は、顧客が保有する施設が23,000超、小売と物流全体の中・大型施設が5万以上、工場などを含めると10万以上であり、同社の成長余地は非常に大きいといえる。

追加的な利益創出機会を確保へ
2. 成長戦略
同社は、ビジョン「グリーンエネルギーがめぐる世界の実現」に向け、「R.E.A.L. New Energy Platform」によって統合される一連のサービスを通じ、「GXグロースカンパニー」として成長していく方針である。成長戦略では、引き続き既存事業を強化していくことに加え、長期契約で接点のある顧客ネットワークを生かし、蓄電池併設のインテグレーションサービスや、オンサイトPPA以外の再エネ供給として「循環型電力」のサービスなどの展開を強化し、追加的な利益創出機会を確保していく方針である。

(1)既存事業の強化
同社はGXソリューション事業を引き続き成長ドライバーと位置付け、リソースを重点的に配分してオンサイトソーラーの導入拡大を追求していく計画である。オンサイトソーラーは、メガソーラーのような適地制約がないうえ未設置施設が多く、屋根上だけでなくカーポートなども潜在的な設置場所になり得るため、ポテンシャルは非常に大きいといえる。このような高い市場性に加え、顧客は初期投資なしで経済的な再エネを長期安定的に利用できるという訴求力もあって、GXソリューション事業は一層強力な展開が可能と考えられる。実際に、PPAサービスとアライアンスソリューションによって設置されたPPAオンサイトソーラーの累積容量は、2022年12月から2026年6月末までに4倍近くに増加するなど高いペースで成長を続けている。また、AIプラットフォームのデバイスも約1,840拠点(2026年6月末時点)で導入されている。

GXソリューション事業の成長を追求するうえで、株主や事業パートナー、自治体などとの連携も強める。筆頭株主である伊藤忠商事<8001>とは、これまでも営業や資材調達を含めて幅広いシナジーを発揮してきたが、今後も連携を継続・強化する。アライアンスソリューションでは、事業会社や金融機関などとの連携を全国各地で拡大していく。オンサイトソーラーの導入数を増やすだけでなく、自社保有のオンサイトソーラーに加えて他社の多数分散した様々な再エネ発電所に由来する再エネを同社の需要家につないでいく。このように同社が活用できる再エネ電力量を最大化する一方で、ストック型収益とフロー型収益のバランスをとることで、バランスの良い利益成長を進めていく考えである。

(2)追加的利益創出機会
同社は電力系統を活用した電力小売も展開しているため、同社以外の再エネを電源とした供給も可能であり、PPAの既存顧客に対して追加的な電力供給や循環型電力の供給などのアップセル策を講じることができる。たとえば、オンサイトPPA設置施設へのアップセルでは、PPAの既存顧客は再エネに対する意識が高いものの、依然として電力需要の約8割を通常の電力で賄っているため、PPAの20年契約のなかで追加的に再エネの供給を拡大できる余地が大きい。様々な理由でオンサイトPPAを設置できない顧客に対しては、循環型電力の供給により、同一企業グループや地域内などで再エネを融通し合うことができる。建物の老朽化や、特に首都圏では、屋根が小さいといった理由でオンサイトソーラーを設置できない施設があることから、アップセルのポテンシャルは大きいと考えられる。

インテグレーションサービスでは、オンサイトソーラーへの蓄電池の併設を強力に提案していく方針である。蓄電池があれば、電力使用量が少ない時間帯にはオンサイトソーラーから充電して再エネの活用を図ることができ、電力使用量が多い時間帯には放電してピークを抑え、電力系統を通じて購入する電気料金(基本料金)を低減することができる(ピークカット)。また、電力系統を通じて購入する電気が比較的高価な夜間でも、蓄電池から放電することで安価な再エネを活用することができる(タイムシフト)。コスト低減をはじめとする蓄電池自体のさらなる進化も必要であろうが、蓄電池設置の機運は高まっている。

循環型電力は、再エネの余剰電力を集約し、それをグループ企業の他の施設や地域へ長期供給する電力シェアリングサービスである。太陽光パネルの設置が困難な施設に対しても工事不要・最短2ヶ月で導入が可能であり、昼間は再エネ、夜間は市場から調達した電力を利用する。同社は、エナジートレーディング事業を通じて20年間の安定収益を確保することができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

いま読まれてます

記事提供:
元記事を読む

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー