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いちご Research Memo(1):2027年2月期中間期は事業利益2.6%増、通期は最高益更新を見込む

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■要約

いちご<2337>は、オフィス、商業施設、ホテル、レジデンスなど幅広いタイプの不動産を対象とし、価値向上ノウハウを活用して既存不動産への投資・運用を行う心築(しんちく)を強みとしているほか、再生可能エネルギー発電施設や蓄電施設の保有・運用を行っている。また同社は、不動産価値向上技術・ノウハウを軸にオフィス、ホテル、再生可能エネルギー発電施設の3つの投資法人を運用・管理するユニークな企業グループである。

1. 2027年2月期中間期の業績概要
2027年2月期中間期は、売上高が前年同期比22.0%減の39,817百万円、営業利益が同5.7%減の10,621百万円、経常利益が同1.0%減の8,952百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同1.9%減の8,462百万円となった。一方で本業の利益の実態を示す事業利益※(特別損益に計上される心築及びホテルの資産売却益も含む)が同2.6%増の15,514百万円、キャッシュ純利益が同9.8%増の12,119百万円となった。主力の心築事業の事業利益は7,115百万円(同38.2%増)と大幅増となった。ホテル事業の事業利益は2,250百万円(同57.5%減)となった。ストック収益でオペレーター収益やいちごホテルリート投資法人<3463>(以下、いちごホテル)の分配金が減少したのに加え、前年同期に計上した売却益(2,636百万円)がなかった。いちごオーナーズ事業の事業利益は3,463百万円(同38.7%増)となった。一部で物件売却時期の下期へのシフトがあったものの、フロー収益が堅調である。アセットマネジメント事業では、いちごオフィスリート投資法人<8975>(以下、いちごオフィス)において売却成果報酬を獲得したことが増益の要因となった。クリーンエネルギー事業は、安定的なビジネスモデルの下で堅調ではあるが、天候不順に加え、落雷による一部発電所の一時的な稼働停止が影響し減益となった。

※ 心築事業及びホテル事業における営業活動本来の利益を可視化するため「事業利益」を採用している。同社は心築事業及びホテル事業で保有する不動産を「固定資産」と「販売用不動産」に分けて計上しているが、いずれも価値向上後の売却対象である一方、「固定資産」の売却益は会計上では特別損益に計上されるため、これを営業利益に戻し入れる「事業利益」により、利益創出の実態値を示している。

2. 2027年2月期の業績見通し
2027年2月期は期初予想どおり、事業利益で前期比21.2%増の34,000百万円を見込んでいる。キャッシュ創出をさらに拡大する予想であり、安定したストック収益に加えてフロー収益を伸ばし最高益更新を見込む。心築事業では、物件売却及び子会社売却により、事業利益で18,550百万円(同41.7%増)と大幅な増益を予想する。いちごオーナーズ事業では、前期未実現の売却実現により、事業利益で7,600百万円(同101.9%増)と通期での最高益を見込む。事業利益の意欲的な目標に対して、中間期の進捗率は45.6%となっており、弊社では十分達成可能であると見ている。

3. 中長期の成長戦略
収益基盤・財務基盤の強化を進めてきた結果、現在の同社のビジネスモデルは、「安全性」「収益性」「効率性」「成長性」「株主還元」を高次元でバランスさせたものに進化している。「安全性」に関しては、固定費の約2倍を安定したストック収益で賄えるため、市況変動や金利上昇リスクに対する耐性が極めて高い。仮に不動産不況になったとしても資金繰りのために物件の売却を急ぐ必要がないのが同社の現状である。そのため「収益性」も必然的に高くなる。「効率性」に関しては、ROEで15.0%(通期予想)を目指す水準まで向上している。「効率性」が高いため、余剰資本を成長投資に回すことが可能となる。「安全性」を背景にした資金調達力も相まって、事業利益の増加、AUMの成長、新規事業の創出(系統用蓄電池事業など)などで「成長性」を向上させることができており、「株主還元」の充実にもつながっている。

4. 株主還元策
過去14期連続で累進的配当政策を維持しており、安定性に定評がある。同社では利益変動に左右されない安定配当を実現できる株主資本配当率(DOE)を、早期から経営目標としており、2026年2月期のDOEは4.1%、2027年2月期からはDOE目標を「5%以上」に引き上げる。2027年2月期の配当金は年間15.50円(前期比4.00円増配)、DOE5.1%と大幅な増配を予定している。さらに同社は長期VISION「いちご2030」において「機動的な自社株買い」を掲げ、10期連続で自社株買いを実施している。2027年2月期は、中間期末までに51億円を取得済みであり、新たに2026年10月15日~2027年4月30日の取得期間で上限50億円の自社株買いを決定した。

■Key Points
・2027年2月期中間期は心築・いちごオーナーズがけん引し、事業利益が拡大
・2027年2月期は前期比21.2%増の340億円と事業利益で過去最高を見込み、順調に進捗
・強固な収益・財務基盤を背景に、AUM拡大や系統用蓄電池などの新規事業で成長を図る
・2027年2月期は前期比4.00円増の15.50円、DOE5.1%を予想

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

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