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ミラティブ Research Memo(7):外部配信者へ支援拡大。海外展開も視野に、事業領域の拡大をねらう

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■中長期の成長戦略

3. 新規事業投資と戦略的M&Aの推進
ミラティブ<472A>は、「Mirrativ」で培ったコミュニティ運営ノウハウ、デジタルコンテンツ開発力、広告主ネットワークなどのアセットを活用し、ストリーマープラットフォーム事業を強化している。従来は自社アプリ内での収益最大化に注力してきたが、今後はYouTubeやTwitch等の外部プラットフォームで活動する配信者も支援対象に加える。既存アセットの横展開を軸とすることで、低コストかつ低リスクで事業領域を広げられる構造的な強みがある。

その中核を担うのが、完全子会社化したアイブレイド及び持分法適用会社であるキャスコードである。アイブレイドはVTuberネットワークを基盤としたキャスティングサービスを展開し、企業とのプロモーション案件創出やイベント企画を通じて配信者の収益機会を拡大している。キャスコードは配信支援ツール「CastCraft」を提供することで、視聴者管理やインタラクティブな演出を通じて配信体験を高度化している。両社の事業は、「Mirrativ」のコミュニティ設計思想及びデジタルアセットと親和性が高く、グループ全体で配信者支援エコシステムの構築を進める基盤となっている。

また、ストリーマープラットフォーム事業は国内市場にとどまらず、VTuber・ストリーマー市場が拡大する海外展開も視野に入れている。配信支援ツールやデジタルコンテンツは国境を越えた展開が比較的可能な領域であり、これを中長期的な市場キャパシティ拡大の余地があると考えている。

(1) プラットフォーム横断型の配信者支援
YouTube、Twitch等で活動するVTuber・ストリーマー関連市場を対象とする支援体制を構築する。ファン獲得支援や収益化支援、コンテンツ演出支援を横断的に提供することで、特定プラットフォーム依存から脱却し、より広範な市場を取り込む戦略である。

(2) 企業案件・広告ソリューションの拡張
「Mirrativ」で構築してきた広告主ネットワークを活用し、外部配信者を含めたBtoB案件の獲得を強化する。VTuberキャスティングやタイアップ企画の提供により、広告主に対するマーケティングソリューションを拡充し、収益源の多様化を図る。

(3) デジタルアセットの外部展開
「エモモ」(3Dアバター機能)、ライブゲーミング、コミュニティ設計ノウハウなどの自社アセットを外部プラットフォーム向けに展開する。「Mirrativ」内で実証してきた高エンゲージメント設計を応用し、配信者の収益最大化を支援するモデルを構築する。

(4) ライブゲーミングとの連携強化
ライブゲーミングは既に「Mirrativ」売上の一定割合を占める独自コンテンツである。今後は外部ストリーマーとの連携も視野に入れ、低開発コストで高ARPUを実現するモデルを外部市場へ拡張する。これにより外部プラットフォームに依存しない独自コンテンツ資産の価値を高める。

(5) 戦略的M&Aの推進
配信者支援領域及び関連テクノロジー分野を中心に、資本業務提携やM&Aを継続的に検討する。強固な財務基盤と高い限界利益率を背景に、エコシステムを補完・拡張する企業との連携を進めることで、成長速度の加速を図る。

同社はこれまで、3Dアバター機能「エモモ」や「ライブゲーミング」の導入を通じて、コミュニティの双方向性と課金機会を段階的に拡張してきた実績を持つ。今後は、自社アプリ内で培ったこれらの資産を基盤に、アイブレイドやキャスコードとの連携を通じた配信者支援領域の強化を推進する方針である。今後は、連続的な新規事業ローンチに加え、アイブレイドやキャスコードとの取り組みのようなM&A・資本業務提携を加速する。これにより、「Mirrativ」の枠を超えた多角的な事業拡大を推進するねらいである。

■株主還元策

当面は無配を継続し、新規事業投資及び財務基盤の強化を優先

同社は、事業成長に向けた投資を優先しつつ、将来的な株主還元の充実を図ることを基本方針としている。2025年12月期は無配であり、内部留保の充実を通じた事業基盤強化を優先した。また、2026年12月期についても無配を予定しており、引き続き成長投資を重視する方針である。現時点では配当実施よりもユーザー基盤の拡大、新規事業投資及び財務基盤の強化を優先する姿勢を示している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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