■事業概要
1. 事業概要
ユミルリンク<4372>は、企業のデジタルマーケティング(メールマーケティング、SMSマーケティング)やデジタルコミュニケーション活動を支援するメッセージングソリューション事業として、「Cuenote」シリーズの製品・サービスをクラウド型で提供している。ROCは法人向けマーケティング支援のSNSソリューション事業を展開している。ROCが持つSNSマーケティングノウハウを活用したシステム開発や相互送客などの面でシナジー創出を図る。
サービス区分はMail系、SMS・Auth系、Social系、Survey・他としている。主要製品は「Cuenote」シリーズで、Mail系ではメール配信サービスの「Cuenote FC」、メール送信APIの「Cuenote SR-S」、kintoneメール配信の「Cuenote Mail for kintone」、SMS・Auth系ではSMS配信サービスの「Cuenote SMS」、行政・自治体向けサービスの「Cuenote SMS for LGWAN」、kintone 連携の「Cuenote SMS for kintone」、Salesforce連携の「Cuenote SMS for Salesforce」、本人認証サービスの「Cuenote Auth」、その他ではWebプッシュ通知の「Cuenote Push」、Webアンケート・フォームシステムの「Cuenote Survey」、気象情報と連動して災害発生時に対象地域従業員の安否状況等を自動確認する「Cuenote 安否確認サービス」などがある。Social系はROCのマーケティング支援売上高で2025年12月期より計上している。なお2025年12月期の主要製品の売上高構成比は「Cuenote FC」が62.4%、「Cuenote SR-S」が19.9%、「Cuenote SMS」が14.8%である。
(1) Cuenote FC
大量のメールを正確かつ高速に配信したい、デザイン性の高いメールを簡単に作成したい、メールマーケティングの効果測定やデータ分析を行いたいといったニーズに対応し、独自開発した配信エンジン(MTA)による大規模・高速配信性能と豊富なマーケティング機能を搭載したメール配信システムである。会員数が数百万~数千万規模の大規模なメール配信でも高速・確実に届けることができるほか、画像などの挿入が容易でデザイン性の高いメールを簡単に作成できるHTMLメールエディター、顧客の行動に応じて適切なメールを自動配信するシナリオ配信、メールの効果を測定できる開封・クリックカウント・コンバージョン測定などの機能も備えている。
(2) Cuenote SR-S
メール遅延や不達を解消するエンジニア向けのメール送信API・リレーサーバである。APIやSMTPリレーでメールを高速かつ確実に送信でき、SPF、DKIM、DMARCなどの送信ドメイン認証にも対応している。また、配信エラー理由解析機能も備えている。2025年7月には月額27,000円(税込29,700円)から利用できる新プラン「Cuenote SR-S エントリープラン」を提供開始した。
(3) Cuenote SMS
国内キャリアとの直収方式により高い到達率を持つSMS配信システムである。携帯電話やスマートフォンの電話番号を利用した本人認証や重要な通知・リマインド、自社サービスの販促・プロモーション情報などを送信できる。APIや画面からの送信に合わせ、IVR(Interactive Voice Response:コンピュータによる音声自動応答システム)や双方向通信にも対応している。国内4社の全キャリアと直接接続することで、90%を超える高い開封率や、メール配信で培った大規模・高速配信技術を強みとしている。なお外部接続・連携シリーズとして、行政・自治体向けに総合行政ネットワーク(LGWAN)と接続する「Cuenote SMS for LGWAN」を提供しているほか、2024年7月にはSalesforceと連携する「Cuenote SMS for Salesforce」を、同年10月にはサイボウズ<4776>の業務アプリ構築クラウドサービスkintoneと連携する「Cuenote SMS for kintone」を提供開始した。
(4) その他の製品・サービス
本人認証サービスの「Cuenote Auth」はSMSやIVRを利用し、セキュアな多段階認証をAPI連携で簡単に実装できるサービスである。顧客は同サービスを導入することによって、自社でシステム開発を行うことなく確認コードの生成、SMS・IVRによる確認コード通知、認証画面の表示及び処理、認証結果の取得という一連のプロセスを簡単に実行できるため、ECサイトの転売対策や不正アクセス対策などの用途に活用できる。
Webプッシュ通知の「Cuenote Push」は2024年11月に提供開始した。アプリが不要で、Webブラウザ経由でユーザーのPCやスマートフォンにWebプッシュ通知を送信できる。メルマガやLINEなどとの違いは、専用アプリを開くことなくユーザーに通知が届くためユーザーが気付きやすいというメリットがある。企業側はユーザーのメールアドレス等の個人情報取得が不要で、ユーザー側にとっても「通知を許可する」ことにより情報を受け取ることができるライトな通知手段である。
Webアンケート・フォームシステムの「Cuenote Survey」は、プログラミングの知識がなくても、ノーコード(ブラウザ操作)でデザイン性の高いアンケートを簡単に作成できるサービスである。多言語やランディングページ一体型フォームにも対応し、同社の他のサービスと組み合わせてメールにアンケートを添付して送信することもできる。
「Cuenote 安否確認サービス」は、気象情報と連動して企業のBCP(事業継続計画)を支援するサービスである。災害発生時に対象地域の従業員の安否状況等を自動確認できる。
kintoneメール配信の「Cuenote Mail for kintone」は2025年6月に提供開始した。kintone上で手軽にメール配信から管理までを一元的に行える。また同年9月にはサイボウズのオフィシャルパートナーに認定された。
メールの高速かつ効率的な大規模配信を可能とする技術力が特長・強み
2. 特長・強み
同社の特長・強みとしては、メールの高速・大規模配信を可能にした独自の技術力、データ分析専門チームにおいて月間89億通を超える通信記録を分析できる技術力などが挙げられる。メールの大規模配信市場においてはメールサーバーをチューニングして高速化に対応することが一般的だが、同社は高速化に特化した設計思想と高速化に適した並列言語指向処理「Erlang(アーラン)」を採用し、MTAにより高速・確実な通信制御を実現した。このような高速・大規模配信技術力とデータ分析力の両方を有していることが競合優位性となり、メール送信市場のベンダー別シェア※は上昇基調(2021年度8.2%で第4位、2022年度10.5%で第4位、2023年度10.8%で第3位、2024年度11.2%で第3位)となっている。
※ 同社の「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」による。
また同社の「Cuenote」シリーズは、企業のプロモーション(ECサイトの販売促進、利用者認証、流通の来店促進、タイムイベント告知など)以外にも、企業のIR・PRアンケート、金融・保険分野の株価アラート、約定通知、満了・更新日案内、鉄道・航空・ホテル・レジャー分野の予約確認、搭乗・来場リマインド、新聞・出版分野のニュース速報、電気・ガス・通信分野の料金通知、工事日案内、自治体・警察・学校分野の防災・防犯通知、登下校通知など、様々な目的・業種で活用されている。
国内の3エリア・6拠点(関東3拠点、関西2拠点、九州1拠点)のデータセンターにサービス用基盤設備を分散して設置しており、99.99%以上の高い稼働率を実現している。そして企画・設計・開発・販売から運用・保守まで、充実したサポート体制を含めて一気通貫のソリューションを提供し、継続的に顧客との強固な信頼関係を構築している。なお技術系社員比率の高さ(2025年12月期末時点の同社単体ベースの技術系社員比率52.8%)も特長となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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