2026年5月11日に発表された、AZ-COM丸和ホールディングス株式会社2026年3月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
目次
和佐見勝氏(以下、和佐見):みなさま、こんにちは。AZ-COM丸和ホールディングス代表取締役社長の和佐見勝です。ただいまより2026年3月期決算説明会を始めます。どうぞよろしくお願いします。
本日の内容はスライドのとおりです。2026年3月期決算概要は藤田が説明し、2027年3月期業績予想と中期経営計画2028年は私が説明します。
藤田勉氏(以下、藤田):経営戦略担当の藤田です。本日はお忙しい中、会場およびWebでの参加により、約100名のセルサイド・バイサイド投資家のみなさま、マスメディアのみなさま、金融機関や証券会社のみなさまにご出席いただき、証券コード9090のご愛顧に心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
2026年3月期 実績

それでは、2026年3月期の決算を振り返ります。売上高は2,305億3,100万円で前期比プラス10.6パーセント、営業利益は118億6,400万円でプラス8.3パーセント、営業利益率は5.1パーセントでした。
経常利益は125億3,000万円で前期比プラス7.7パーセント、利益率は5.4パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益は74億4,800万円でプラス2.4パーセントとなり、増収増益で終了しました。営業利益は予想を若干下回る結果となりました。
ドメイン別売上高(輸配送事業)

各ドメイン別に報告します。輸配送事業におけるラストワンマイル事業は、セールスを含む積極的な増車を行いましたが、ネットスーパー等の一部事業譲渡があったため、結果的に前期比でマイナス1.1パーセントとなりました。
ただし、EC常温輸配送事業では、幹線輸送の需要増に対応した増車が拡大し、前期比プラス14.6パーセントと大きく成長しました。
ドメイン別売上高(3PL事業)

EC常温3PL事業では、大型物流センターが通期稼働したことにより、前期比14.9パーセント増となっています。
低温食品3PL事業も前期比9.8パーセント増となりました。新たなスーパーマーケットの物流センターの稼働、既存取引先との事業領域の拡大、取扱物量の増加などが大きく寄与しています。
医薬・医療3PL事業も前期比10.2パーセント増となっています。こちらも物流センターの通期稼働や季節商品の取扱物量が大きく増加したことが主な要因です。
経常利益分析

経常利益分析です。前期差は8億9,700万円でした。前期(2025年3月期)の経常利益は116億3,300万円でしたが、マイナス要因として、新規拠点開設に係る一時費用でマイナス13億2,600万円、その中には「AZ-COM Matsubushi EAST」の先行投資による5億9,200万円が含まれています。
また、業務撤退やポートフォリオの見直し、スクラップアンドビルドに関連して12億8,400万円のマイナスが発生しました。さらに、社員の賃金ベースアップによる影響としてマイナス9億円、既存物量の減少でマイナス3億1,600万円となっています。
一方、増加要因では、2025年の公開買付(TOB)の費用が今期は発生しなかったため、6億7,400万円がプラス要因となっています。
さらに、新規顧客開拓や既存事業の拡大によりプラス18億8,800万円、料金改定や生産性向上、コスト削減などによってプラス21億6,100万円となった結果、前期差は8億9,700万円、2026年3月期の実績は125億3,000万円となっています。
売上原価分析

売上原価についてです。前期の特徴として、人件費と諸経費を合わせた2,084億6,000万円のうち、人件費を除く諸経費は1,520億9,400万円となっています。内訳として、傭車費が43.8パーセントから41.3パーセント、外注・業務委託費は13.5パーセントと大幅に増加しました。その他についても増加しています。
これは、5月7日に決算発表が行われたファイズホールディングスの大型センターの稼働などによって、AZ-COM丸和グループ全体として、3PL事業が大きく拡大していることに起因しています。
2027年3月期 業績予想サマリー

和佐見:2027年3月期の業績予想をご説明します。2026年の売上は約2,300億円、2027年には2,500億円を見込んでおり、伸び率は8.4パーセントという結果にまとめました。
「今まで常に10パーセント以上成長している会社が、なぜ8.4パーセントなのか。何が原因なのか」と投資家のみなさまも評価するのではないかと思います。
営業利益率はプラス16.3パーセントと高く、営業利益は118億6,400万円から138億円に19億3,600万円増、経常利益は125億3,000万円から140億円で、伸率は11.7パーセントとなっています。
純利益は11.4パーセントの成長と非常に堅実な数値となっていますが、この点についてはご理解いただければと思います。
売上高分析(予想)

売上高分析です。前期差プラス194億6,900万円となっています。この数値で問題に挙げられるのが、料金改定計画で50億円を計上している点です。この50億円を計上するにあたっては、現状で燃料費やサーチャージの問題がある上に料金改定を行うことで、お客さまから「やり過ぎではないか」という指摘を受けるリスクもあります。
売上高2,500億円を目標とする企業として、料金改定で50億円を上乗せするのは、はっきり言えば少ないと思います。この点については我々も非常に苦しい立場にいます。
また、新規顧客の獲得についても簡単にできるものではありません。私どもは3PL事業として、小売業を中心に開発を進めています。
経常利益分析(予想)

我々が考えるのはあくまでも収益です。経常利益率5パーセントから5.5パーセントは低いと感じています。
かつて当社の第52期の数値は7パーセントでした。それから比べると確かに厳しい時代を迎えていると言えます。
重点施策

「AZ-COM Matsubushi 収益化」については、ラストワンマイル事業の収益が明確に減少しています。これは、自社のデリバリーをさらに強化する方針の影響もあると思われます。現在、このような動きが進んでいます。
当社においても、前年度からラストワンマイル事業の収益が落ちており、それが売上、利益に影響を与えていることは間違いありません。
「営業体制強化」については、当社の営業担当者の平均年齢は非常に若く、20代で入社して4年から5年現場を経験し、その後営業職に昇進してきた社員がほとんどです。平均年齢は約28歳であり、指導する先輩方は32歳から33歳程度と若い人材が活躍しています。今後さらに若い人たちの力を発揮できる将来性があると考えています。
「管理機能の効率化」については、自動化に関して、松伏に設立したセンターで当社もDX(デジタルトランスフォーメーション)に力を入れた投資を行い、人員削減を進めています。
「グループ再編強化」に関しては、今後5,000億円から1兆円規模を目指していくにあたり、現在の状況では達成することが難しく、最適な組織体制へのシフトを図っていきます。
中期経営計画 2028 の目標達成に向けて

2030年度グループ売上高5,000億円の実現に向けた構造改革の実施についてご説明します。このままの状況では売上を上げても利益が出ず、経費が増加するため、経費を抑制する必要性が十分に理解できます。
今回の売上高目標に対して、せめて経常利益率を多少でも上げるために、経費削減にしっかり取り組んでいく必要があると考えています。
AZ-COM Matsubushi EAST(埼玉県北葛飾郡松伏町)

こちらのスライドは当社が埼玉県北葛飾郡松伏町に立ち上げた「AZ-COM Matsubushi EAST」です。主要荷主としてマミーマート、ダスキン、ミスタードーナツを獲得しています。
松伏町は首都圏25キロ圏内に位置しています。東埼玉道路が開通しました。
AZ-COM Matsubushi WEST(埼玉県北葛飾郡松伏町)

さらに、我々は「AZ-COM Matsubushi EAST」に続き、次の「AZ-COM Matsubushi WEST」を考えています。マツキヨココカラ&カンパニーが主要荷主となる規模です。ワンフロアは7,500坪で、建物全体は5層構造となっています。1階では食品を扱い、7,500坪を活用できる小売業者の方々に、すでにアプローチを進めています。2階から5階までがマツモトキヨシとなります。
なぜ私が松伏町での建設を強く推し進めているのかというと、首都圏25キロ圏内が夜間配送エリアに該当するためです。マツモトキヨシは現在当社も夜間配送を行っています。早朝にも対応しますが、ほとんどが夜間配送です。
首都圏25キロ圏内であれば、3回転の配送が可能です。通常は2回転が限界ですが、3回転できる距離であるのが特徴です。マツモトキヨシは都心を中心としており、マミーマートからの距離も同様に、3回転が可能な範囲内となっています。この点から考えても、松伏町の立地条件は非常に優れています。
同じ25キロ圏内でも日本橋などの都心から横浜への距離を考えると、松伏町のほうが近いという利点があります。
私どもの本社は吉川市にあり、吉川市では働く場所として当社が最大手です。現在1,200人ほどが働いていますが、今後松伏町を合わせると1,500名の規模になります。このように、人材確保において十分なメリットがあるとご理解いただければと思います。
構造改革の重点施策① グループ組織再編・IT/DX

構造改革の重点事項について検討する中で、トランスポート、特に輸配送に焦点を当てています。今回の輸配送についてはAmazonの業務に関連していますが、幹線輸送やセンター間の輸送、また地方からソートセンターへの輸送が含まれます。
例えば、九州や北海道への輸送において、車両が使えない場合は鉄道輸送を活用します。丸和通運が鉄道輸送のライセンスを保有しているため、31フィートコンテナを用いた輸送が可能であり、これが成長していることは間違いありません。
3PLではオペレーションの効率化を目指しており、当社は今後も3PLを中心に展開していきます。特に、システム3PLの効率化に向けては、DXや自動化に注力しており、現在マツモトキヨシを対象に名古屋から福岡にかけて大規模な投資を行っています。
新規事業・経営基盤の拡充(M&A機会の創出)①

新規事業・経営基盤の拡充、M&Aの強化策についてです。当社の関連会社にもM&Aを実施していただいており、今後も積極的に進めてほしいと考えています。ただし、大規模なM&Aは狙わず、関連会社には100億円未満の企業を対象としてほしいと伝えています。
AZ-COM ネットワークの拡充

AZ-COMネットワークの拡充についてです。現在2,815社が対象となっており、3月には150社ほどに絞り込みます。AZ-COMネットに参画した際には、AZ-COMネットのさまざまなサービスや機能を活用してほしいとお伝えしています。
現在の燃料問題についても、当社は値上げに困っています。私どもが会員の方に提供する燃料の単価は抑えており、市中価格と比較してもリッターあたり5円の差は大きいと言えます。
このようなかたちでメリットを提供していますが、2030年にはグループ売上高5,000億円を目標としていますが、その前の2027年には4,000社、さらに2040年には1万社を目指します。これは不可能な数字ではなく、必ずやり遂げる所存です。
BCP 物流:災害協定締結状況

BCPについては、現在47都道府県のうち39都道府県で協定を結んでいます。スライドの地図は2026年4月時点のものです。全国47都道府県と協定を結ぶことは非常に大変なことですが、今期は東京23区に注力していきます。
スライドの写真に映っているのは東京都千代田区の樋口区長ですが、備蓄に対する取り組みが私たちの考えの中で特に重要と考えています。
東京都の場合、例えば千代田区の備蓄を行う際には、廃校した学校を備蓄箇所として利用しますが、それは安全な備蓄とはいえません。いざという時にきちんと整理されていないために、必要なものを迅速に取り出せない状況が想定されます。
現在、私たちは備蓄に関する指導を進めています。横浜市の状況も注目すべきです。人口378万人に対し、400箇所程度の避難所があります。1万人に1箇所の割合となっています。
我々は、各自治体に赴いて指導を行い、完璧な備蓄の実現を支援しています。東京都23区についてはあと11区残っていますが、いずれも近いエリアとなっています。
さらに各市町村においても対応を進めています。各市町村を合わせると、1,780ほどの自治体がありますが、それをすべて対象にすることは難しいため、各エリアでは市を中心に市町村とまとめて協定を結ぶ方針です。この1,780をおよそ300ずつにまとめることを目指しています。
私たちはこれまで、EC常温物流、低温食品物流、医薬・医療の3分野を中心に、さらにBCP事業にも積極的に取り組むことをお伝えしてきました。今回、物流サービス事業においては、AZ-COMネットワークの会員企業だけでなく、本格的な展開を進めていく考えです。
この5大事業戦略を策定し、今後の成長に向けて取り組んでいきます。基本的には、3PLの強化につながることを目指しています。
株主還元

株主還元についてです。当社は配当性向40パーセントを目安にしていますが、実際には今期は52.1パーセントとなっています。
株主総会では「もっと社内留保金を確保してほしい。それほど多くの株主還元は必要ない」と言われる場面もあり、どちらかと言えば叱られることが多いのです。今期は配当性向52.1パーセントで1株当たり32円となります。
私からみなさまにお伝えしたいことがあります。中期経営計画の2年目にあたり、私どもはブルーオーシャン戦略を導入することを考えています。
グループ全体が一丸となって経営に取り組むことが大切であり、その取り組みを本格的に強化する手法として、ブルーオーシャン戦略を導入しようと考えています。
ブルーオーシャン戦略に基づき、競争が存在しない3PL事業を創造することが、私たちの目指すところです。競争は行いません。競争とは主に価格競争を指し、価格ばかりが争点になってしまっています。 そのような競争は基本的に避けたいと考え、ブルーオーシャン戦略を導入しようとしています。
来期、より詳しくブルーオーシャン戦略についてご説明できると思います。取り組みに対する成果についてもお話しできると考えています。
質疑応答:2026年3月期の経常利益の減益要因について

質問者:2026年3月期の経常利益の増減要因分析で、第4四半期にかけて撤退や業務縮小による減益幅がかなり大きいように感じます。第4四半期になにか特殊要因があったのでしょうか?
藤田:ご質問の2026年3月期における業務撤退および業務縮小が12億8,400万円となっています。これは厳密に言うと、当社のグループ会社で不採算だった一部事業を閉鎖したことによるものです。この中には閉鎖した除却損も含まれています。
その他、お客さまの都合によるスクラップ・アンド・ビルドの関係で、廃止した拠点が3ヶ所ほどあり、これが重なっていることが主な要因です。
質疑応答:2027年3月期の経常利益目標および中期経営計画の進捗状況について

質問者:2027年3月期の経常利益は140億円の予想となっています。中期経営計画の最終年度に向けては、経常利益200億円を目標としており、計画の2年目から3年目にかけてかなり増益を見込んでいるように思われますが、現状の目標である2027年3月期の最終目標に対する進捗状況について教えてください。
藤田:2027年3月期の業績予想は、売上高2,500億円、経常利益140億円となっています。中期経営計画の最終年度である2028年3月期の経常利益200億円に向けて60億円の差異があり、このステップを踏むのは厳しいのではないかという趣旨かと思います。
私たちとしては、先ほど和佐見がお伝えしたように、2026年度第54期については、売上高・利益ともに構造改革として抜本的に見直しています。細かい数字は割愛しますが、社内のコストを全社的に約1パーセント下げることを目指し、現在取り組んでいます。
また、各グループ会社を含む事業ポートフォリオの組み替えや組織の再編など、大幅でドラスティックな施策を今期進める方針です。
さらに、先ほどお話ししたブルーオーシャン戦略についても、競争がない分野をゼロから見直し、事業を再構築することで成果を上げたいと考えています。この取り組みが功を奏した場合、経常利益200億円は達成可能だと見込んでいます。
もちろんM&Aも視野に入れていますが、このような取り組みにより、売上高2,800億円、経常利益200億円という数字を諦めていません。現時点では、この目標を据え置いています。
和佐見:中期経営計画において、私たちが「これをやった」と言えるような数値を目指しており、経常利益が200億円となる場合、売上高に対する利益率は7パーセントとなります。決して高い数字ではないということをご理解いただければ幸いです。
質疑応答:経常利益の増減分析について

質問者:2027年3月期経常利益の増減分析予想について、左端の「投資案件および経費増」を分解すると、投資案件がどのくらいを占め、経費増がどの程度なのか、内訳を教えてください。
また、左から3つ目の「既存物量減」は、2025年3月期から2026年3月期に3億2,000万円の減少とされている中で約19億円と非常に大きく見受けられますが、これはなにか特殊な要因があるのでしょうか?
さらに、一番右の「料金改定計画・生産性向上・低収益拠点の改善」に関して、可能であれば内容を教えてください。
戸塚悟史氏(以下、戸塚):広報・IR部長の戸塚です。「投資案件および経費増」に関する28億5,000万円の内訳については、販管費の増加が主な内容となっています。具体的には、採用費やDX・IT関連の投資が含まれています。また、今期には助成金が一部ありましたが、その助成金が来期にはなくなる影響も含まれています。
一番右の「料金改定計画・生産性向上・低収益拠点の改善」については、内訳を詳細にお伝えするのは難しい部分もあります。ただし、低収益拠点の改善および生産性向上を進めることで、この金額の約6割をカバーしていきたいと考えています。残りは料金改定計画に基づき、お客さまにご協力をお願いしながら進める計画となっています。
質問者:「既存物量減少」には特殊な要因があるというわけではないという理解でよいのでしょうか?
戸塚:特殊要因というわけではなく、今期から引き続いた部分が若干あるという状況です。
質疑応答:資本提携・業務提携について
質問者:御社と上組の資本提携業務の現在の進捗状況について教えてください。また、先月、セイノーホールディングスとの業務提携が発表されたと思いますが、そちらに対して期待されるシナジー効果についてもご説明いただければと思います。
藤田:現状の進捗についてお話しします。先々月まで私どもの社員をジャカルタに2年間派遣していました。上組とは定期的にコミュニケーションを取りながら、今後について議論を進めています。
また、当社と上組の3PLとのシナジーについては、人的交流を含めてさまざまな議論を重ねていますが、現状では、もう一段アクセルを踏む必要があると感じています。
それから、先日発表したセイノーホールディングスとの業務提携については、セイノーホールディングスの田口義隆社長から、当社の和佐見へ「O.P.P.(Open Public Platform)」に関してご意見をいただいています。和佐見は日本3PL協会の会長も務めており、この件について議論を進めています。
各拠点や十数万の顧客に対して、さまざまな3PLに関わる取り組みを進めていく中で、「特積み(特別積合せ貨物運送)」 だけでは十分ではなく、これから総量が減少し、少子高齢化が進む状況を踏まえ、田口社長は「やはり各個社ごとの個社最適では駄目で、物流全体として日本国を考えていきたい」とお考えです。
この点については、私どももまったく同意見です。その視点から、今後さらに、和佐見の知見と私たちが持つ3PLに関する知見、そして彼らが持つ各拠点の強みなどをどのようにシナジーとして活かしていくかについて、今月から協議を開始する予定です。ぜひご期待ください。
和佐見:セイノーホールディングスについては、創業者である田口利八氏がいらっしゃいます。私が運送業を志す際、誰を目標にするかと考え、西濃運輸(当時)の田口利八氏を目標にしました。その後、田口利夫氏が2代目社長に就任され、現在は田口義隆氏がその後を継がれています。古くからのお付き合いがあり、田口社長にもさまざまな思いがあると思います。
私も同様ですが、「業界に貢献するんだ」や「業界のみなさまに喜んでいただこう」といった考えをもとに話し合いを進めました。もちろんこれだけではなく、互いに協力し、新規のお客さまの獲得にも取り組もうということになりました。セイノーホールディングスの特徴は特積みです。
我々は3PLです。当社にも特積みがありますが、その分野では弱い部分もあります。しかし、強みを持つ者同士が協力し合うことで、相乗効果を生み出すことができると考えています。田口社長は人間的にも非常に立派な方だと思っています。
また、事業については、必ず拡大策を取ることができると考えていますので、ぜひみなさまからご指導いただければ幸いです。よろしくお願いします。
質疑応答:中東情勢がコストに及ぼす影響について
質問者:現在の中東情勢やコストインフレなど、コスト面で御社に対する影響がある程度出ているのではないかと思います。これについて定量的にどの程度の影響があったのか、また、どのような対応策を考えているのかお聞かせください。
藤田:イラン、アメリカ、イスラエルなど中東の情勢がどう影響を与えるのかという点ですが、現時点では、私どもの売上原価に占める燃料油脂費の割合は1.1パーセントと非常に軽微なため、大きな影響はないと考えています。
我々AZ-COM丸和グループは、基本的に「運ばないこと」を科学する会社です。「どのようにして運ばないようにするか」を追求した結果、その手法としてハブ・アンド・スポークモデルを採用し、「3PLしかないだろう」というコンセプトのもと、約30年前に3PLへ進出しました。
現在のところ、燃料油脂費が売上原価に占める割合は1.1パーセントと非常に軽微であり、影響は受けていない状況です。ただし、人件費の高騰に伴うコストプレッシャーは存在しています。したがって、ご質問の中東情勢が現在どうかという点については、今のところ影響はないと考えています。
ただし、今後原油価格が200ドルや300ドルといった水準に達した場合には、この限りではありませんが、現時点では問題ないと見ています。
また、我々は4月からサーチャージの導入を開始し、それをお客さまに対し文書できちんとお願いし、サーチャージの徴収について交渉を進めています。この点についても、大きな懸念はないと考えています。
質疑応答:新規顧客開拓戦略について
質問者:2026年度の計画において、売上高約206億円の増加要因として「新規顧客獲得」によるものが示されており、「3PLを中心に」というご説明がありました。新規の顧客獲得とは、マーケット自体の拡大による新規顧客の増加が要因なのか、それとも、他社からシェアを奪うことを前提としているのでしょうか? 3PL以外の事業においても、マーケットシェアの観点で今後の業界勢力図が変わる可能性はあるのでしょうか?
藤田:我々の事業拡大については、顧客の成長とともに我々の事業も並行して拡大していく、これが1つの要素と考えています。
新規のお客さまのシェアについては、お客さまの要望に基づいて展開する事業として新たな物流センターを開発する取り組みがあります。これは既存のお客さまだけでなく、新規のお客さまにも対応するものです。
また、先ほど和佐見が触れたブルーオーシャン戦略の一環として、物流サービス事業をさらに大きく拡大していく計画があります。これまで当社があまり手掛けてこなかった事業においても、新たな拡大や新規開拓、新規事業として進出することを検討しています。
そのような取り組みに加えて、M&Aを活用し、事業拡大だけでなく対象企業の買収によって成長を図ることも計画しています。それらのトータルが206億円ということです。
質問者:それでは、いわゆる競合他社からシェアを奪う趣旨ではないという認識でよろしいでしょうか?
藤田:そのような趣旨ではありません。一部にはそのような側面があるかもしれませんが、基本的にはそうではありません。
質疑応答:「AZ-COM Matsubushi EAST」の状況について

質問者:松伏町の「AZ-COM Matsubushi EAST」に関して、2026年3月期末でどの程度の床が埋まっている状態なのか、足元でお客さまの目途がどこまで立っていて、フル稼働がいつ頃になるのか教えてください。あわせて、立ち上げ段階の懸念材料についても教えてください。
藤田:「AZ-COM Matsubushi EAST」については、現在約80パーセントが埋まっており、残りの20パーセントについては54期中に埋めていく方針で、営業が日夜取り組んでいます。そのパイプラインについては、かなり見通しが立っています。
立ち上げに関しては、マミーマートやミスタードーナツとの連携において、これまでの経験を活かし営業と現業が一体となってバックアップ体制を整えており、スムーズに進んだのではないかと考えています。
質問者:では、終わった期で計上されている立ち上げコストは、あくまで売上に対して償却費用が若干かかってしまったということで、トラブルが要因ではないという認識でよろしいでしょうか?
藤田:そのとおりです。
質疑応答:小売業に特化した3PL事業の収益性と今後の方針について
質問者:御社が小売業に特化した3PLであることについて、小売業は価格プレッシャーが強いのではないかと感じています。先ほど和佐見社長もそのようなコメントをされていたかと思いますが、これが収益性が上がりにくい要因となっているのでしょうか? 今後も小売に特化した事業展開を続けていくという考え方に変わりはないか確認させてください。
和佐見:まず、小売業の魅力についてですが、例えばスーパーでは次々と事業を拡大しています。当社がお取引している会社も含め、小売業のお客さまの成長が当社の成長につながるという形で、成長するお客さまを獲得することが重要だと考えています。
成長するお客さまには全面的に支援策を講じて、私たち自身も喜びを感じるビジネスを展開していきたいと考えています。
また、小売業のお客さまは、話し合いの機会を持つことができる点も大きな特徴です。メーカーとは異なり、小売業では社長自らがテーブルについて話し合う機会が多くあります。これは創業者が多いことが背景にあります。そのため、私どもは創業者とのお付き合いを重視したいと考えています。
これらのメリットとして、創業者の方々は自ら事業を作り上げ、拡大策を講じてきた経験を持っている点が挙げられます。今後も小売業に専念し、特化した努力を続けていきます。今後ともどうぞよろしくお願いします。
